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16年間にわたり凍結された道路建設の再開が波紋を広げている。広沢一郎・名古屋市長が昨年11月に建設再開を表明した都市計画道路・弥富相生山線。道路が横断する相生山緑地は、森に住むヒメボタルの群生地で、河村たかし前市長が2010年に工事を止め、4年後に道路建設事業の廃止を表明したことで知られる。
この春、市が建設再開について説明を始めると、悪影響を懸念する声が上がり始め、相生山緑地への関心も高まっている。
名古屋市が3月に行った説明会の中身
2025年11月に「道路建設凍結解除」のニュースを聞いてから、名古屋市天白区に住む自然観察ガイドの渡辺滋子さん(61歳)は、「相生山緑地は大丈夫だろうか」と心配している。今年3月、名古屋市主催の近隣住民向け説明会に参加して、驚いた。参加者はみな建設再開を歓迎しているのだろうと、渡辺さんは推測していた。
ところが市の説明の後、司会者に指名された質問者8人のうち、5人が「道路は必要ない」「自然をそのまま残して」「息子が呼吸器障害。道路建設はやめて」などと、建設再開方針への反対を訴えた。3人は「この案で進めて」「道路を通して」という意見を述べた。
説明会で配布された市の資料のタイトルは「弥富相生山線の折衷案に関する説明会における説明資料」。このタイトル自体が、これまでの紆余曲折を表している。資料によると、緑地内の道路は一般車両が通れる道路とするが、真ん中の未着手部分の工法については自然環境に配慮し、高架式にして、重機が高架の上をシャクトリムシのように進みながら地面に杭を打ち込んでいく工法を採用するという。
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【河村たかし氏の市長時代に工事は中断していた】
