地域住民は活発に動いた。相生山緑地のそばに住む杉藤清行さん(82歳)は、道路廃止方針表明の後に行われた市の説明会に行き、「これはいかん」と思った。直後、仲間が集まって「相生山道路早期完成協議会」を作り、チラシを配り始めたという。
協議会の代表幹事を務める杉藤さんは、その時の思いを振り返った。「道路ができないと近隣地区の細い道に車が入り込み、交通事故を起こす。それはいけないという住民の切なる思いがあった。また私は(建設に反対する人たちの話を聞いて)非科学的で感情的な意見で道路建設をやめることは許せないと思った」
戦後の子ども時代、杉藤さんは両親が畑をやっていた相生山によく行った。「荒野の乾いた土地なんです。清流も池もない。自然環境が豊かだからではなく、江戸時代に薪炭材を採る入会地だったため、緑地に指定しやすかったのでしょう」と杉藤さんは話した。
道路建設再開を決定的にした市議会の動き
市議会は2019年、市が作成中の「名古屋市総合計画2023」案の中にある「弥富相生山線の道路事業を廃止し~」という文言について、削除・修正を要求。また、道路の問題と緑地整備を切り分けて検討していくよう求めた。
その理由として、区政協力委員長らが2013年11月、道路整備を求める請願を出し、市議会が採択したことから、市議会の意思に反する文言は容認できない、とした。2019年12月にも、道路整備を求める請願が出されて採択されている。
こうした動きをリードした地元天白区選出の成田たかゆき議員(自民)は2025年4月、同じ地元選出の田中里佳議員(名古屋民主)、辻まさお議員(公明)に働きかけ、3人が土木交通委員会に所属して建設再開へと歩を進めた。
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【道路建設が再開されると、相生山緑地はどうなるのか】
