ヒメボタルへの影響はどうなのか。名古屋市は、「調査により、ヒメボタルは相生山緑地全体で生息数が増えてきていることがわかっている」としている。また、道路建設が再開された場合の影響について、「有識者から、騒音振動の影響はない、これだけ広域に飛翔は確認されているので、緑地内に残るというご意見は頂戴している」ともいう。しかし、有識者の名前は公表されていない。
市議会で市は、「ヒメボタルの繁殖期には夜間の一般車両の通行を制限することも検討していく」と述べたが、警察に相談、協議した結果次第、という条件がついている。市が本気で「大丈夫」というのであれば、より信頼できる方法で専門家の知見を示すことが必要ではないか。例えば、国の環境アセスメント手続きで環境大臣が意見を出す時には、影響が心配される点について専門家のコメントを名前や肩書とともに公表している。
工事再開の撤回を求める1万5374人の署名
福井さん、野田さんをはじめ道路建設再開を問題視する人たちは今年2月、工事再開の撤回を求める要望書を1万5374人の署名を添えて市に提出した。
4月17日、私は「相生山の四季を歩く会」の古川善嗣さん(75歳)と一緒に相生山緑地を歩いた。赤いズミ、白いツクバネウツギなどの花が咲き、ピリリリリとサンショウクイ、ツピッツピッとシジュウカラの鳴き声が響き渡った。
途中、古川さんの携帯電話に「歩く会に参加したい。集合場所への行き方を教えて」といった電話が入る。今年に入り、毎月行われる歩く会には40人以上が参加。急遽、臨時の会も設けている。道路建設再開へと報じられてから、相生山緑地への関心が高まっているようだ。
