日本の乗用車タイヤ市場は長らく、サマータイヤとスタッドレスタイヤが春先と秋口に販売のピークを迎えるマーケットが確立されてきた。降雪地域では年2回の交換が当たり前とされ、非降雪地域においても、突発的な積雪への不安や、スキーなどウインタースポーツなどの趣味のためにスタッドレスを保有する層は少なくない。
しかし昨今、この構造に風穴を開ける存在として「オールシーズンタイヤ」が台頭しつつある。そして2024年、住友ゴム工業(ダンロップ)が投入した「シンクロウェザー(SYNCHRO WEATHER)」は、そのオールシーズンタイヤの概念すら覆す「次世代オールシーズンタイヤ」として、市場に静かなる衝撃を与えている。そこで、シンクロウェザーの市場的立ち位置、技術的特異性、そして経済的な合理性、そして実際に乗ってみたインプレッションをお届けする。
まだ認知度の低いオールシーズンタイヤ
日本におけるタイヤ市場は、JATMA(一般社団法人 日本自動車タイヤ協会)の25年販売実績データによると、乗用車用市販夏タイヤが約3100万本、冬タイヤが約1500万本、計約4600万本が1年間に売れた本数と統計データが発表されている(注:並行輸入や俗にいうアジアンタイヤなどは含まず)。
つまり、オールシーズンタイヤの販売本数は正確なデータが集計されていない。まだ、本格的なタイヤのジャンルという認識がないというわけだ。
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【妥協の産物であったオールシーズンタイヤ】
