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中国自動車大手が突然の「ハイブリッド車」開発攻勢、吉利・長安・広州・奇瑞などがエンジン車の燃費規制に対応

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吉利汽車が発表したHV新モデル「星越L」。充電なしで長時間走行可能な点が売りだ(同社ウェブサイトより)

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中国の大手自動車メーカーが一斉にHV(ハイブリッド車)の開発に本腰を入れ始めた。4月13日、中国の民営自動車大手の吉利汽車(ジーリー)は次世代ハイブリッド技術を発表、燃費は100キロ当たりわずか2.22リットル(1リットル当たり45キロメートル)とトヨタ自動車の「プリウス」が保持してきた世界記録を更新したと主張した。 

これに先立つ3月30日には、中国の国営自動車大手の長安汽車も独自のHV技術を発表、この技術を使った新モデルを間もなく市場に投入する予定であることを明らかにした。さらに4月12日には同じく国営自動車大手の広汽集団が自社のイベントで類似技術を発表。国営大手の奇瑞汽車もこれに続き、近くハイブリッド技術を披露するとしている。

電源プラグから充電できるPHV(プラグインハイブリッド車)と違い、エンジンの回転でモーター用の動力を充電するHVは中国ではEV、PHV、燃料電池車からなる「新エネルギー車」の範疇外に置かれ、税制面などの優遇対象外となってきた。このため中国国内ではHV開発に注力する企業は少なく、トヨタと合弁を組む広州汽車集団(広汽集団)が比較的早くから開発を手掛けてきた以外、消極的だった。

ここへ来て中国メーカーが相次いでHV車の開発に前向きに取り組み始めた背景には、中国政府のエンジン車に対する燃費規制強化がある。26年に入り、乗用車の平均燃費基準が一段と厳しくなった。

2030年までにリッター30km達成目標

1月1日以降、新規定「乗用車燃料消費量評価方法および指標」が施行された。産業政策を管轄する工業情報化省は30年までに平均燃費を100キロ当たり3.3リットル(1リットル当たり30キロメートル)へ向上させる目標を定め、26年から30年の間の各年毎の達成目標も設定された。中国ではHVもエンジン車と同一のカテゴリーに分類されているため、規制達成にはHVの燃費向上が一番の近道となった。

ただしHV開発のハードルは高い。エンジンの回転力をクルマの駆動力に使うか、バッテリー充電のための発電に回すかの配分が難しいためだ。

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【技術的課題、どう克服?】

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