50年以上も続く追跡調査
1972年、ニュージーランドの沿岸都市ダニーディンで、ある科学者グループが本来なら小規模かつ短期間で終わるはずだった研究に着手した。
彼らのミッションは、出生環境と子供の健康・発育問題との関連を探ることだった。しかし、50年以上も続く研究の旅に乗り出そうとしているなどとは、当時は知る由もなかった。
最終的に、その研究はデータの宝庫をもたらした。そこから明らかになったのは、われわれの幼少期が、恐れ知らずの科学者の一団が想像しうるあらゆる重要な帰結にどう影響するかということだった。
こうした帰結には、認知機能の低下を示す脳内マーカーから、対人関係の質、仕事での成功に至るまで、さまざまなものが含まれる。この研究の規模は驚くべきものであり、歴史的な意義を持っていた。
当初は3歳児の発育状況を調べるという控えめな目標から始まったのだが、やがて1037人の被験者集団の長期にわたる追跡調査へと発展した。

