研究チームは数年ごとに、身体的、感情的、心理的な幅広い指標によって被験者を入念に評価した。
被験者は、心理学研究に欠かせない標準的な一連のアンケートに答えるだけでなく、血液検査から得られる高度な生体測定データの収集から口腔内の3Dスキャンまで、幅広い検査を受けた。認知テストを受け、知能検査に答え、私生活の細々した事柄を明かすインタビューに参加した。
これらの被験者に対するテストは、厳格だったどころではない。世界で最も権威ある科学誌の一つである『サイエンス』に掲載された記事によれば、「データ収集プロセスが私的領域にまで踏み込む詳細なものであったため、これらの被験者たちは地球上で最も緻密に調査された集団の一つとなっている」とされていた。
感情制御能力を正確に測定する方法
この研究は規模と期間だけを考えても際立っているが、本当に特別なのは、研究者たちが被験者の感情制御能力を幼少期を通じて丹念に測定した手法である。
子供の自制心を評価する際に単一の実験課題や自己申告調査に頼る大半の研究とは異なり、このプロジェクトの研究者は子供たちに複数のテストを受けさせ、親や教師にも評価を依頼した。そうすることで、複数の尺度を使って総合的な測定を行ない、子供たちの自己制御スキルがどの程度かについて、かつてないほど正確な知見を手に入れたのだ。
研究者たちは子供の成長過程における複数の時点(3歳、5歳、7歳、9歳、11歳)でこれらの自制心評価を実施し、成長するにつれて能力がどう変化したかを詳細に把握した。
それから、この幼少期の能力からどんな将来が予測できるかを確かめるため、何年ものあいだ辛抱強く待った。
すると、感情を制御する被験者の能力から、彼らの人生について多くのことが予測できることが明らかになったのだ。
いくつかの結果は予想されていた。たとえば、幼少期の感情制御の欠如とその後の薬物乱用との正の相関関係などだ。しかし、その関連性の幅広さは予想をはるかに超えるものだった。
