神経科学の技術のおかげで、人びとが感情を経験したり制御したりするとき、脳内のさまざまなネットワークのどこが、どれくらいの速さで活性化するかを視覚化できる。
スマートフォンやウェアラブルコンピューターを使えば、人びとがこの世界で暮らす中で、その感情的反応が有機的に展開する様子をリアルタイムで観察できる。インターネットのテクノロジーは、世界中の至るところで生活する膨大な数の人びとを対象に実験を行ない、かつてない量のデータを収集することを可能にしている。
これらのイノヴェーションは、より伝統的な実験方法と組み合わさって、感情に対するわれわれの考え方を一変させてきた。
たとえば、感情的な救済の鍵は必ずしも「いまを生きる」ことではないこと、ネガティブな感情は有害であるどころか、ときには驚くべき方法でわれわれを助けてくれることなどを、われわれは学んできた。
感情をシフトさせるためのツール
そして、おそらくこれが最も重要なのだが、感情的な問題には万能の解決策など存在しないことがわかったのだ。
故障した自動車を整備工場に持ち込んで、たった一つの工具で直してもらえるなどと期待することがあるだろうか? もちろん、ない! 自動車は複雑に動作する機械であり、さまざまな問題に応じてさまざまな工具が必要になる。
同じ考え方がわれわれにも当てはまる。人びとの感情的なニーズは、状況によって、人によって、そしてもちろん日によって、さらには瞬間によってさえ、変化する。それらのニーズを満たすには、幅広いツールが必要になる。ところで、何とも素晴らしいことに、あなたはすでにそれらのツールを手にしているのだ。
それは、誰もが自分の中に持っている、主要な感情の「シフター(変換装置)」と私が呼ぶものを理解するところから始まる。
われわれは自分の感覚を活用することで、感情を自動的にシフトさせることができる。
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【「内なるシフター」や「外なるシフター」 】
