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多くの人が親しんできたロングセラー商品。馴染みある姿ゆえに「昔と同じ」と思いがちだが、むしろロングセラーほど、時代に合わせて変わり続けているものだ。では、あの商品は、どこをどう変えてきたのだろうか――。
多くの企業ストーリーを叙情豊かに描いてきたライター・弓橋紗耶さんが綴る連載「変わり続けるロングセラー」。連載第1回は牛乳石鹸共進社「カウブランド 赤箱」を取り上げる。
様々な理由により、「青箱」の陰に隠れてきた「赤箱」。2011年に「赤箱再生プロジェクト」が始動すると、売り上げはV字回復することになる。しかし、復活は決して平坦な道ではなかった(前編はこちら)。
「洗顔で売る」はタブーだった
「『@cosme ベストコスメアワード2015』受賞」
2015年(平成27年)、想定外のニュースに社内は騒然としていた。1990年代から約20年もの間不振に喘いでいた「カウブランド 赤箱」(以下、赤箱)の受賞は、社員に驚きをもって迎え入れられていた。なぜなら、それが「ボディ洗浄料部門」ではなく、「洗顔部門」での選出だったからだ。
発売以来、「赤箱」は全身に使える身体洗浄料として販売されてきた。「洗顔に使うといい」と言うユーザーが一定数いることを、少数の担当者は知っていた。しかし、過去に「洗顔用に研究開発されたものではない」という議論が社内で交わされており、「洗顔訴求はNG」とされていたのである。
社内では「洗顔訴求」がタブーとされていた(写真:牛乳石鹸共進社)
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