のちに、全身用スキンクリームや練り香水、ルームフレグランスなどを開発しているが、これらはすべてファンの声を受けてのことだ。また、25年には「青箱グッズも出してほしい」という要望から、商品展開を広げた。直接顧客の声を拾うため、26年にはファンミーティングも開催している。
「ブランドはお客様のもの」
1990年代以降の市場縮小と「青箱」のシェア拡大を受け、2009年には約20年前の3分の1ほどにまで売り上げが落ち込んでいた「赤箱」。しかし、11年に発足した「赤箱再生プロジェクト」、18年のマーケティング施策の大転換を経て、24年に見事V字回復を達成した。
コアターゲットを「石鹸を使ったことがない20代女性」に設定したことで、さぞ顧客層が若返ったのだろうと思っていたら、意外にも「全年代の使用率が上がった」らしい。だが、「この結果はそこまで意外じゃない」と藤松さんは語る。
「プロジェクトが発足した際、『製品の中身は変えない』と決めていました。リブランディングのタイミングでは、『これまでのお客様を決して悲しませない』と会社に約束していました。クリエイティブを一新したときは、ブランドの本質的な価値をきちんと理解したうえで、『赤箱』らしい世界観を残しています。
もはや、ブランドは自分たちのものではなく、お客様のもの。そう考えて、新規を取り込みながら、既存のお客様にも喜んでもらえるようなコミュニケーションを意識していました」
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【「赤箱」の復活に必要だった要素】
