元・為替市場課長が徹底解剖「日本経済の稼ぐ力」 現在のデータから未来を読む 資金フローが示す日本の生きる道

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教養としての為替
日本経済の「稼ぐ力」や将来の成長の可能性とはどのようなものなのでしょうか?(写真:kurosuke/PIXTA)
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日本経済について「日本からの資金流出が続いている」「NISAの海外投資やデジタル赤字が円安を加速させる」といった見方が聞かれます。しかし、それは実際にどの程度「問題」なのでしょうか。
教養としての為替』の著者である大矢俊雄氏が、最新の国際収支データを手がかりに、日本経済の「稼ぐ力」や将来の成長の可能性について解説します。

日本の成長力について考える

日本の経常収支黒字増は定着し、日本が海外で「稼ぐ力」が強くなっている――これは構造的な変化として定着しつつあるものです(詳しくは前編の記事を参照)。

経常収支黒字を増やしているのは「過去の投資からの収益」の増加であり、そうした日本に還流される収益を更なる収益機会を求めて海外に投資する。そうした逆方向の2つのフローの「せめぎ合い」が為替レートに影響を与えます。

更に、最近貿易赤字額は減少しており、貿易フローの今後の行方も重要です。

本稿では、「現在の」フローのデータを分析し、「将来の」為替、更には日本の成長力について考える端緒を提供したいと思います。その際、最近話題になっているNISAや「デジタル赤字」の影響についても触れます。

1.貿易収支の動向

まずは貿易面から見てみましょう。「円安になっても貿易収支は赤字のまま。日本の稼ぐ力が衰えており成長に悪影響」という主張が見られます。

「円安が貿易黒字に繋がっていない」のはその通りですが、以下の点に留意が必要です。

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