元・為替市場課長が徹底解剖「日本経済の稼ぐ力」 現在のデータから未来を読む 資金フローが示す日本の生きる道
1)国際協力銀行(JBIC)のデータによると、海外生産比率は2002年度の26.0%から24年度には36.1%まで上昇しています。生産の海外シフトは、円安時の輸出への影響を小さくします。
ただし、その裏で増える海外生産からの収益は、殆ど現地通貨建てなので、円安により(円換算額ベースで)自動的に増加します。これが経常黒字増に寄与しています。
2)22年―25年の4年間日本の貿易収支は赤字でしたが、貿易赤字額は縮小し続けています。下記グラフを参照してください。
22年に貿易収支が赤字化したのは、輸入の急増が主因です。財務省の国際収支統計によれば、日本の輸入額は、20年の64兆円から22年には114兆円まで増えました。
他方、輸出は、20年の67兆円から22年には99兆円に増加しましたが、増加額は輸入増加額を大きく下回りました。
こうした動きの背景として、以下の理由が考えられます。
輸出増加額が輸入増加額を大きく下回った2つの理由
i)輸出と輸入の円安の影響度合いの違い
日本銀行のデータによると、21年1月の月平均1ドル=103円台から、22年9月には143円台までドル高円安が進みました。
輸出入額は全て円換算額であり、為替の影響を受けます。日本の輸入の円建て比率は輸出より低く(財務省のデータでは25年下半期で円建て比率は輸入24.8%、輸出37.0%)、円相場が振れると輸入の方が輸出より影響が直ちに現れます。
ii) 22年の商品価格の上昇
22年2月にはウクライナ侵攻が開始され、石油等の資源価格や小麦等の農産物価格が大きく上昇しました。これに上記の円安の影響が加わり、輸入額は大きく増加しました。
まとめて言えば、上記の様々な理由があって22年以降は貿易赤字が続きましたが、状況は改善してきており、今や貿易赤字が「稼ぐ力」に与える影響は軽微と言えると思います。



















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