若い女性教師が「学校に行けなくなった」深刻な理由 「この仕事を選んでよかった」→次第に頭の奥がズキッと痛むように

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駅のホームにいる女性
パニック症は決して特別な病気ではありません(写真:buritora/PIXTA)
通勤中の電車やバスの中で、前触れもなく心臓が激しく打ち始め、息が十分に吸えない感覚に襲われる。これがパニック発作に特徴的な症状です。パニック症は100人に1~2人が経験するとされ、強いストレスや疲労を背景に、誰にでも起こり得ます。美容家のIKKOさんやタレントの長嶋一茂さんが公表したことでも知られ、決して特別な病気ではないことが広く認識されつつあります。
パニック症に襲われた、ある若い女性教師の実例を、精神科医・広岡清伸氏の著書『ごめんなさい、もうこれ以上頑張れません』より、一部抜粋・再編集のうえお届けします。

大好きな教師の仕事が「つらい」と感じる

水野沙耶(仮名)さんが初めてクリニックに来た日のことを、よく覚えています。浅い呼吸、速い胸の動き、わずかに青白い顔色。ここに来るだけでも、水野さんにとっては大きな挑戦だったのがよくわかりました。

広岡:今日はここまで来られた。それ自体が、大きな一歩です。少しずつでかまいません。どんな経過だったか、聞かせてください。

いったん呼吸を整えてから、水野さんが話し始めました。

水野:はい……わたしは中学校の教師をしています。子どもたちに教えたり、話したりするのが楽しくて……やりがいも感じていました。生徒の笑顔を見るたびに……「この仕事を選んでよかった」と思えたんです。

広岡:ゆっくり話していただいてかまいませんからね。そうですか、教えることに喜びを感じておられたんですね。でも、その分、責任も大きかったのではありませんか?

水野:そうかもしれません。教師の仕事って、子どもたちと向き合うだけじゃなくて。授業の準備、テストの採点、行事の企画、保護者対応、同僚との打ち合わせ……。

広岡:気を抜く時間が、ほとんどなかったのでは?

水野:ええ……。授業の合間にもやることリストが頭の中でどんどん増えていって。気づくと夜遅くまで職員室に残っていました。まだ新人で仕事も遅くて、いつも最後まで残って……。机の上のプリントを見ながら、ため息ばかり出ていました。

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