若い女性教師が「学校に行けなくなった」深刻な理由 「この仕事を選んでよかった」→次第に頭の奥がズキッと痛むように

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広岡:水野さん、大丈夫ですよ。一気に良くなろうとせずに、少しずつ良くなればいいんです。わたしがプログラムを考えます。それに沿って練習すれば回復できます。

水野:練習……ですか?

怖さがゼロにならなくても暮らしていける状態を目指す

広岡:はい、大切なのは、「怖さをゼロにしよう」と力むのではなく、「ゼロではなくても暮らしていける」感覚を育てることです。

最初のうちは、発作の波が押し寄せることがありますが、サーフィンのように乗り越えていけるようになります。そうすれば、行動範囲は自然と広がっていろんな場所に出ていけますし、社会復帰も近づきます。

水野:どんな練習なのですか?

広岡:厳しい鍛錬のように無理を重ねるのではなく、「怖さを抱えたまま、短時間そこにいる」ことをくり返します。そのために必要なのが、怖さのレベルの細分化です。

わたしは紙に10段階の目盛りを描き、水野さんと一緒に「不安レベルの階段」をつくることにしました。

不安レベル10「診察室や待合室の椅子に座れない」
不安レベル9「診察室の椅子に座れる」
不安レベル8「待合室の椅子に座れる」
不安レベル7「バス停まで行って、ベンチに座って帰ってくる」
不安レベル6「隣のバス停までバスで行き、帰りは徒歩で帰ってくる」
不安レベル5「隣のバス停までをバスで往復する」
不安レベル4「3つ先のバス停までを往復する」
不安レベル3「最寄りの駅までバスで行って往復する」
不安レベル2「バス、電車の乗り継ぎができる」
不安レベル1「発作が来ても平常心で対処でき、生活の障害がない」

広岡:この階段を1段ずつ上がっていくのがこれからの治療目標になります。ただし、上がるペースは、あくまでも水野さん次第。焦らないことが大切です。

水野さんには、できたときは「〇」、できたとしてもつらかったときは「△」、その日はやめた場合は「―」という記録を付けることを併せて伝えました。記録するのは、自分を裁くためではなく、いまの自分の状態を確かめるためです。

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