日本の造船復興、「国策大転換」の舞台裏。設備投資を支援、2035年までに国内建造量倍増を目指す

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今治造船最大の丸亀工場で建造が進む、積載1万3900個クラスのコンテナ船(写真:編集部撮影)

JMUは、石川島播磨重工業(現IHI)、住友重機械工業、日立造船(現カナデビア)、日本鋼管(現JFEホールディングス)という大企業をルーツに持つ。その企業を今治造船が子会社化したことは業界で「野武士が貴族をのみ込んだ」とささやかれた。

会見に臨む今治造船・檜垣幸人社長(右)とJMU・廣瀬崇社長(撮影:梅谷秀司)

品質は最後まで「人が担保する」

そんな今治造船の丸亀工場では現在、約2000人が働いている。

地元の工業高校卒で入社18年目の溶接工、寺嶋隆二さんもその一人だ。自動溶接を担当し、8人のチームを率いている。作業では、電圧、電流、温度の繊細な管理が求められる。自動溶接でも、人による監視は不可欠で、品質は最後まで「人が担保する」のだという。

そんな寺嶋さんが今取り組むのは、新型自動溶接機の導入だ。「職人技は大切に継承する。ベテランは新技術を嫌いがちだが、価値観を変えて誰もが使える環境を整えたい」(寺嶋さん)。

自動化を急ぐ背景には深刻な人手不足がある。丸亀工場には3本のドックがあるが、稼働しているのは2本だけ。限られた人員で稼働率を高めようと、同じドックで2隻同時に建造する「タンデム建造」などの工夫が重ねられていた。

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