「たかが疲れ」と見過ごすなかれ! "慢性疲労"で失われる生涯賃金は約2800万円という現実《心疾患リスク・うつ病リスクもアップ》
ほかにも、ストレスに反応する「コルチゾール」や、気分と睡眠を安定させる「セロトニン」も疲れに大きく影響します。その回復には数週間〜数か月かかる場合もあります。
「疲れた」と感じたとき、それはホルモンの過剰分泌や枯渇のサイン。無視すれば、元に戻るまでに数年かかることもありうるのです。
「たかが疲れ」となめてはいけません。疲労を放置すると、じわじわと体に大きな影響を及ぼします。いったいどんなリスクが起きるのか見ていきましょう。
慢性リスクのホント「疲労は放置すると大問題!」
【心血管のリスクが3.2倍以上!】
「ちょっと疲れただけ」と油断は禁物です!疲労を放置すれば活性酸素が増え、血管をじわじわと傷つけます。
実際、週55時間以上働く人は週35~40時間の人と比べて疲労が蓄積しやすく、その結果、脳卒中リスクが1.33倍、冠動脈疾患リスクも1.13倍にも。
慢性疲労症候群になると、心疾患リスクは一般の人の約3.2倍も高く、寿命も2〜3年短いという報告もあるほどです。なるべく早く疲労を解消し、「たかが疲れ」と見過ごさないことが大切です。
【慢性疲労で失われる約2800万円!】
慢性疲労はうつ病を併発することが多く、日本では、慢性疲労の人の最大45%がうつ病を発症したという研究もあります。また、慢性疲労症候群をきっかけに退職した人はおよそ50%、そのうち退職後に再就職できた人は30%程度。
これは、1人あたり約2800万円もの生涯賃金が失われる試算(生涯賃金損失額=400万円×20年×0.35=2800万円)。とくに女性が多く、妊娠・出産に伴う仕事との両立が困難になって発症した人が2割弱にも上ります。
【慢性疲労になるとうつ病になる率3倍】
体のみならず、精神的な疲労をも抱える慢性疲労は、うつ病とも深い関係を示しています。カナダのある研究では、慢性疲労患者の最大70%がうつ病を発症しているとの報告も。
また、一般的な人の5倍以上も自殺率が高いともいわれているのです。精神的疲労は、脳内のホルモン・セロトニンと大きく関係し、心の安定やストレスに影響します。意欲の低下やイライラ、悲しみ、不眠などを感じたら、疲れを早めに自覚して対応を。
【ウイルス感染リスク約3.5倍】
ボルナ病——主にウマやヒツジに感染するウイルス性疾患で、ヒトへ感染すると頭痛や記憶障害を引き起こすことが知られています。
このウイルスに慢性疲労症候群患者が感染するリスクは、健康な人より約3.5倍も高いことが2023年の研究で判明しています。
原因は、ウイルスを攻撃するNK細胞の働きが低下し、排除に通常の約2倍かかるため。その間にウイルスが脳に侵入し、神経を乱して、疲労を慢性化させる悪循環を生むのです。
【腸内ビフィズス菌が減少、うつ病リスク3倍!】
なんとなく続く体のだるさ──もしかすると、それは腸からのSOSかもしれません。最新の研究によると、慢性疲労症候群の人は腸内のビフィズス菌が健康な人の数十%も減少していることが報告されています。
この腸内環境の悪化が、脳の炎症を引き起こし、幸せホルモン・セロトニンの産生を大きく抑制してしまうんです。すると、うつ病を発症するリスクも3倍以上にはねあがってしまうことに!
あなたのだるさは腸内からのSOSかもしれません。
【NK細胞が通常の約60%も激減!】
慢性疲労の人の体では、ウイルスを撃退するNK細胞の数が健康な人の40%以下に激減!このため、通常1日で退治できるウイルスの処理に3日以上かかり、風邪やインフルエンザのリスクが3倍以上に跳ね上がります。
深刻なのは、疲れた免疫システムが機能不全になり「ウイルスを素通り」状態にすること。
実験では、慢性疲労マウスにウイルスを投与すると、健康なマウスが1日でウイルスを撃退したのに対して、慢性疲労マウスは72時間後でも48%のウイルスが残存していたという報告も。
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