首都東京に隣接する千葉県内でさえも、地域の足である鉄道が存続の危機に面している。
千葉県のローカル線、いすみ鉄道いすみ線では2024年10月の脱線事故以降、全線で長期の運休が続く異常事態となっている。
事故は通学する高校生ら104人を乗せた2両編成のディーゼル列車が、国吉―上総中川間で脱線。けが人はおらず、当初は同月末にも運転を再開する予定とされていた。だが、事故現場以外でも広範囲に線路を整備し直す必要があるとの判断から、運転再開が先送りされてきた。
国の運輸安全委員会は25年10月2日、事故原因の調査結果などをまとめた報告書を公表。線路を適切に補修する体制を構築するよう、同社に勧告した。
過去の脱線事故の教訓が生かされていなかった?
報告書では、事故現場付近で「腐食やひび割れが発生しているまくらぎが連続していた」ため、軌間(2本のレール間の幅)が拡大して脱線事故につながったと指摘。「定期検査で把握した必要な軌間変位の補修ができていなかった」ことなどメンテナンス体制の不備を原因に挙げた。
報告書ではさらに、いすみ鉄道は13年12月にも西畑―上総中野間で脱線事故を起こしているが、その後の対策についても「十分でなかった可能性がある」と提示した。
勧告については、同社に対し、木製まくらぎのコンクリート化を「できるだけ早期に実施できるよう計画を策定すること」を求めた。併せて「国や関係自治体からの協力を得つつ、社外からの知見を得るための技術支援等を積極的に活用していくことが望ましい」とした。
報告書の公表と勧告を受け、同社の古竹孝一社長は「勧告を真摯に受け止め、調査報告書の内容を丁寧に精査し、専門機関の助言を仰ぎながら、安全管理体制の確立に全力を尽くしてまいります」とのコメントを発表した。古竹社長は6月の東洋経済の取材に対して「今後はJR東日本など外部の力も借りながら、安全面に対するスキルを一層強化していきたい」と語っている。
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