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ビジネス #ビジネスと人生は絶望に満ちている

「このまま海に行けたら…」通勤電車でかられる誘惑 どこでも行ける電車で我々はなぜ毎日同じ駅で降りているのだろう

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絶望に効く今週の名言
『はじめての短歌』/河出文庫

会社に行くために電車に乗る。バスに乗る。あるいは自家用車に乗る。いずれにしても、何らかの乗り物に乗ることが多い。そして、その乗り物は会社に直通なわけではない。他のところにも行ける。というか、ちゃんと会社の近くで降りないと、自然と別のところに連れて行かれてしまう。これはそうとうな誘惑ではないだろうか?

会社に行きたくない人もいるだろう。そうでなくても、「同じ毎日のくり返しでいいのか?」という人生の迷いがふと生じる瞬間というのはあるものだ。それでも、ほとんどの人は、誘惑を感じながらも、そのまま会社に行く。いつもの行動パターンを変えるというのは抵抗があって難しいものだ。

NHK「ラジオ深夜便」の人気コーナー「絶望名言」に出演中の文学紹介者が、ビジネスと人生の“絶望”に効く名言を毎週お届けする。【火曜日更新】

山田太一脚本のテレビドラマ『丘の上の向日葵』(1993年)の第1回の冒頭にこんなシーンがある。通勤の満員電車に乗っている主人公の中年男性が、不意に「会社へ行くのやめて、温泉でも行くかなあ」と声をもらす。すると周囲の他の会社員たちも「ほんとね」「いいなあ」などと賛同の声をあげる。主人公はさらに「いいでしょう。急に、そういうことしちまうなんていいじゃないですか。一生の思い出になりますよ。大体、そういうことのない一生なんて、一体なんですか?」と言う。「行きましょう」「行きます」「行くか」と他の人たちも手をあげる。みんな、解放感で笑顔になっている。主人公も「いいなあ。私も、こんなことはじめてだけど、いい出してみるもんだなあ」と笑う。

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