公明党はおひざ元の大田区・新宿区で敗北、自公政権に押し寄せる「歴史的転換点」の因果律

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このとき、国民民主党は7議席から28議席と4倍に増やし、参政党は南関東ブロック、近畿ブロック、九州ブロックでそれぞれ1議席ずつ獲得した。次期参院選では、かつての自民票がさらに流れ込むと見込まれる。

彼らは自民党に戻ることはなく、新たな支持の対象を求めていく。それを助長するのがネット媒体で、「減税」や「食の安全」といった身近な問題を取り上げるとともに、オーバーツーリズムや不動産買い占めなどの「外国人問題」にも注目して、有権者の愛国心をくすぐる。

そうした“変身”は巨大与党にはなかなか難しく、支持者の高齢化などとも相まって、得票数を減らさざるをえないのが現実だ。また、石丸伸二氏が率いる再生の道が議席を獲れなかったのも、石丸氏自身が出馬しなかったことを含めて、政党としてそうした具体性を見せなかったことが理由だろう。

都議選は“前奏曲”であり“葬送曲”に

通常国会の閉会を受けて6月23日に開かれた会見で、石破茂首相は次期参院選の勝敗ラインを「非改選と合わせ過半数」と答えた。定数248の参議院での過半数は125議席だが、非改選の自民党は62議席(関口昌一議長を含む)で公明党は13議席。よって次期参院選で自公が計50議席以上獲得する必要がある。

だが、それも難しくなるかもしれない。自民党は第1次安倍政権時の2007年に参院選で27議席減の37議席しか獲得できず、党内で「安倍降ろし」が沸き上がった。そして頼りにすべき公明党も、その基盤を失いつつあるという現状だ。

今回の都議選は参院選の“前奏曲”となると同時に、自公政権の“葬送曲”に連なるかもしれない。歴史という大きなうねりが、まさに押し寄せようとしている。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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