働く個人は「ワークライフバランス」「副業・兼業」の本質をどう捉えるべきか? 《1人ひとりが「自分株式会社」の経営者》の視点で考えてみる

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オフィスにいる男性
「ワークライフバランス」や「副業・兼業」という言葉は日常的に使われていますが、安易に飛びつくと本質を見失うかもしれません(写真:mapo / PIXTA(ピクスタ)
「今ワークライフバランスを実現できているので、ずっとこのままでいいや」
「スキマ時間で副業をして、小遣い稼ぎをしようかな」
いずれもよく耳にする話だが、個人のキャリア形成という観点ではリスクをはらんでいる。近年、「ワークライフバランス」や「副業・兼業」といった言葉が働く個人にとって当たり前になっているが、リンクアンドモチベーション会長の小笹芳央氏は「無思考で新しい働き方に飛びつくと、本質を見誤り、長期的なキャリア形成の妨げになる」と警鐘を鳴らす。
小笹氏の著書『組織と働き方の本質 迫る社会的要請に振り回されない視座』から一部を再編集し、経営やマネジメント、個人の働き方の本質に迫るシリーズ。今回は、「ワークライフバランス」と「副業・兼業」の本質について解説する。

「選ばれる個人」になるための大切な考え方

かつて、企業は個人に対して年功序列で終身雇用を保証し、個人は企業に対して長期的な忠誠を尽くす関係性が成り立っていた。働く個人と企業の関係は、「縛り、縛られ合う」相互拘束関係だったのだ。

しかし、今では転職も普通になり、現在は「選び、選ばれ合う」相互選択関係へと変化している。そのなかで、働く人が「選ばれる個人」になるために大切にしたいのが「アイカンパニー」という考え方だ。

アイカンパニーとは、1人ひとりが「自分株式会社」の経営者として、企業に依存することなく、自立的かつ主体的に自らのキャリアを形成していくという考え方である。自らをあたかも1つの会社のように捉え、勤務先企業は「設立登記先」、自分の給料は「売上」、上司は自分の「株主や顧客」と考える。

アイカンパニーを企業から選ばれ続ける優良企業・人気企業にするためには、今後を見据えた学びを続け、スキルを磨き続けなくてはならない。これができるのは、自分の頭で考え、判断し、自ら行動できる人だけだ。

このアイカンパニーの考え方は、昨今のバズワードとも言える「ワークライフバランス」や「副業・兼業」を考えるうえでも重要になる。

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