働く個人は「ワークライフバランス」「副業・兼業」の本質をどう捉えるべきか? 《1人ひとりが「自分株式会社」の経営者》の視点で考えてみる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ワーク(仕事)と、ライフ(生活・プライベート)をバランスさせ、両立させるのが「ワークライフバランス」という考え方である。筆者もこの考え方には大いに賛成だが、ある懸念を抱いているのも事実である。

アイカンパニー
アイカンパニー(画像:『組織と働き方の本質 迫る社会的要請に振り回されない視座』)

それが、ワークとライフのそれぞれの円が小さいままバランスさせて、それを「良し」としてしまうと、その先の成長や発展の可能性が低くなってしまうということだ。

ワークライフバランスの落とし穴

現在の日本人の平均年収は約460万円(国税庁・令和5年分民間給与実態統計調査)で、中央値はそれよりも低い。たとえば、年収300万円の人がワークライフバランスを目指し、趣味であるゲームや釣りに没頭し続けたとする。

ワークライフバランスの取れた状態を継続しようとするのはいいが、そこにはリスクもある。現状維持を続けようとすると、年収は上がっていかない可能性が高い。

そんな時に、もし勤務先が何らかの危機に見舞われ、退職を余儀なくされたらどうだろう。

バランスが壊れてしまうだけでなく、元から相対的に小さな円では新しい仕事の選択肢が限られ、より小さな円でバランスを取らざるを得なくなる。

まさにアイカンパニーの経営危機であり、これがワークライフバランスの落とし穴である。

次ページ小さな円のバランスを意図的に壊す
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事