働く個人は「ワークライフバランス」「副業・兼業」の本質をどう捉えるべきか? 《1人ひとりが「自分株式会社」の経営者》の視点で考えてみる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

筆者は、副業・兼業には「良い副業・兼業」と「悪い副業・兼業」があると考えている。

良い副業・兼業とは、本業における「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(やるべきこと)」の3つの輪のどこかに重なるような副業・兼業だ。

言い換えれば、良い副業・兼業とは、自分の知識やスキル、能力、経験知を上げることにつながる副業・兼業であり、悪い副業・兼業とは、目先のお金のためだけに働く副業・兼業である。

目先のお金のために自分の時間を切り売りするだけでは、将来の可能性を狭めることになってしまう。アイカンパニーの成長、発展につながる副業・兼業こそが良い副業・兼業であり、やるべき副業・兼業である。

たとえば、企画系の仕事が本業の人が、ウーバーイーツに登録して自転車で配達をしても、アイカンパニーの成長にはつながらないので、あまり良い副業・兼業とは言えない。

だが、地域の町おこしや課題解決を支援するような副業・兼業を行うのであれば、アイカンパニーの成長につながる可能性があるだろう。

働く個人にとって良い副業・兼業は、その働く個人の勤務先企業にとっても良い副業・兼業になる

そのため、企業側が副業・兼業を認めるかどうかを審査する際に、「アイカンパニーの成長につながる副業・兼業か否か」を基準にすると、社員にもメリットがあり、企業にもメリットがある、Win-Winの副業・兼業だけを認めることができる。

そうすることで、社員の成長につながらない副業・兼業を防止できると同時に、社員が疲弊して本業に支障をきたすような最悪の事態を避けられる。

本質に立ち返って自分なりの最適解を

今回は、働く個人の目線で「ワークライフバランス」と「副業・兼業」の本質について論じてきた。

いずれも、目先の小さなメリットに惑わされず、「アイカンパニーの成長をどう実現するか?」という本質に立ち返りながら、自分なりの最適解を求めていただきたい。

次回は、「パーパス経営」「ダイバーシティ」という組織変革に関わるバズワードの本質をひもといていく。

組織と働き方の本質 迫る社会的要請に振り回されない視座
『組織と働き方の本質 迫る社会的要請に振り回されない視座』(日経BP 日本経済新聞出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
小笹 芳央 リンクアンドモチベーション代表取締役会長、経営コンサルタント

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おざさ よしひさ / Yoshihisa Ozasa

1961年、大阪府出身。

早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルート入社。人材開発部、ワークス研究所主幹研究員、組織人事コンサルティング室長を経て、2000年に独立。

同年、世界初のモチベーションにフォーカスしたコンサルティング会社、リンクアンドモチベーションを設立し、代表取締役に就任。

行動経済学、社会システム論、心理学などを基盤にモチベーションエンジニアリングという独自の基幹技術を確立。大手企業から中堅中小企業まで幅広く組織改革の支援を行っている。2013年より現職。

リンクアンドモチベーションは2008年に現東証プライム市場に上場。CVCとしても出資先企業多数、約半数がIPOまたはバイアウトなど驚異的な確率を実現中。著書に『会社の品格』(幻冬舎新書)、『モチベーションマネジメント』(PHP研究所)など計28冊。累計発行部数は約100万部。 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事