
認知症になりやすい人、なりにくい人は暮らし方でわかるようです(写真:KY/PIXTA)
「過ごし方1つで、こんなにも老化のスピードが違うなんて……」
退院後、あっという間に老化が進んで他界した母と、一人暮らしの今も楽しく過ごす86歳の父。晩年の親の違いを目の当たりにし、娘が感じたこととは――。
これまで1000人を超える患者を在宅で看取り、「最期は家で迎えたい」という患者の希望を在宅医として叶えてきた中村明澄医師(向日葵クリニック院長)が、若い人たちにも知ってもらいたい“在宅ケアのいま”を伝える本シリーズ。
今回のテーマは「介護予防」。エピソードを基に、心と体の健康を維持するためのコツや、新しい介護予防の取り組みについて紹介する。
1日中テレビを見ているだけ
地方の裕福な家庭で育った70代の女性Aさん。
子育てを終えた晩年は、夫とともに娘(筆者の知人)の住む町に引っ越し、余生を過ごしていました。とはいえ、外出することはほとんどなく、昼間はいつも家でテレビを見ているだけ。
心配した娘は「家に閉じこもるのはよくない。外に出てもっと人と交流したほうがいい」と何度も言いましたが、Aさんは一向に聞く耳を持ちません。
腹部大動脈瘤(りゅう)という大病を患って手術を受けた際も、体力が落ちたことを心配した主治医から「退院してからは外に出て動きましょう」と言われますが、相変わらず家にこもってばかり。
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