動脈硬化や糖尿病のリスクが上昇!30代から始まる「免疫の老化」とその防止に役立つ生活習慣

免疫は2種類に大別される
免疫とは、体内に侵入したウイルスやバクテリアなどの病原体、あるいはがん細胞などの危険な「異物」から体を守る機能のことです。生まれつき備わっている「自然免疫」と、一度異物に接触することで獲得する「獲得免疫」の2種類に大別されます。
「自然免疫」は好中球やマクロファージ(体内に侵入した病原体・異物を貪食して排除する免疫細胞)などが病原体を攻撃する仕組みで、一方、「獲得免疫」は抗体や細胞傷害性のキラー細胞によって異物を排除するもので、一度接触した異物の情報を記憶して次回の感染などに備えるメモリー機能もあります。
体を病気から守るための免疫も誤作動や暴走で病気を引き起こすことがわかっています。本来、免疫は病原体やがんといった危険なものにだけ反応し、食物や花粉を攻撃することはありません。このような仕組みを「免疫寛容」と呼びます。
ところが異常調節や老化などが原因で働きが破綻すると、自己免疫疾患やアレルギーを発生します。例えば花粉症や食物アレルギー、1型糖尿病、関節リウマチなどは免疫寛容が破綻するために起きる症状です。
また免疫細胞が使用する「サイトカイン」と呼ばれる情報伝達物質の過剰な産生もアルツハイマー型認知症や糖尿病にも関係することが知られています。このように、免疫は体を守る働きがある一方、その弊害も明らかになってきました。

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