「備蓄米放出か、小泉大臣やるじゃん」「JAはもう解体しちゃえ!」は非常にマズい考えだ…。小泉大臣「備蓄米放出」騒動に抱く"危うさ"の正体

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小泉進次郎
「備蓄米の放出」に着手した小泉進次郎農水大臣(写真:時事)

「コメ買ったことない」発言で辞任した江藤拓農水相の後任に、小泉進次郎元環境相が就任して、注目を集めている。期待されているのは、まさに交代劇の背景にある「慢性的なコメ不足と価格高騰」に対する抜本的な解決だ。進次郎氏自身も「コメ担当大臣」を自称して、コメを中心とした農政改革に意欲を示している。

現状では、国民の受け止めは好意的だ。その背景には、郵政民営化を推し進めた父・小泉純一郎元首相のように、大きな構造改革の担い手としての期待がある。

そんな中、さっそく打ち出されたのが「備蓄米の放出」だ。廉価で流通させることへの期待感から、現状を打開する切り札として、進次郎氏の評価が高まりつつある。

あわせてSNS上では、JA(農協)を解体して、新たな農業の姿を模索すべきだとの主張も多々見られる。多くの意見は「既得権益の打破」といった文脈から投げられているが、長年SNS世論を見てきたネットメディア編集者としては、こうしたムードは、危険もはらんでいると感じる。その理由を説明したい。

透明性が確保しづらい流通ルート

2025年5月21日に農水相に就任した進次郎氏が、最初に着手したのは「政府備蓄米の流通ルートの変更」だ。

これまでは、入札により、高い値を付けた業者が落札する流れだった。これを政府が価格を決め、入札せず、業者との随意契約によって販売する形に変更した。

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