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「備蓄米放出か、小泉大臣やるじゃん」「JAはもう解体しちゃえ!」は非常にマズい考えだ…。小泉大臣「備蓄米放出」騒動に抱く"危うさ"の正体

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  • 城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー
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先にも紹介したように、備蓄米は新米ではない。いくら厳重に管理していようとも、どれくらいの品質かは、実際に食べてみないとわからない。そこで「お試しパック」として、小分けで買えるとなれば、手に取りたいと思う人も少なくないだろう。

コンビニは生活に密着している存在だ。だからこそ、全容がよくわからない“農業の闇”を切り裂く、アリの一穴として期待されている。価格は、政府方針の「5キロ2000円程度」から大きく変えられないが、提供スタイルで工夫したファミマは秀逸と言えるだろう。

随意契約への参加を“宣伝ツール”にする企業も?

ファミマのケースからも、わかりやすさを重視する国民性が伝わってくるように、先の見えない物価高や世界情勢を前に、国民はインパクトの強い打開策を求めている。そこで重視されるのは、「論理的かどうか」ではなく、「物語性の有無」だ。

「困った消費者のために、安価で小分け販売する」というストーリーは、単純明快で広がりやすい。しかし、そこには落とし穴もある。意図して作られたわかりやすさには、なんらかの意図が含まれている可能性が多々ある(ファミマがそうだと言いたいわけではなく、あくまで一般論としての話だ)。

うがった見方をすると、小売りサイドは多少赤字が出ても、「消費者思いの店」といったイメージを作れる。随意契約への参加を“宣伝ツール”にする企業がいてもおかしくないと考えると、安易に反応しないほうがいいように感じられる。

JA解体論も同様に、いっときの感情や、聞こえのいい主張に身を委ねるのは、あまりに危険だ。そもそもなぜ、これだけ大きな存在になったのか。その理由に目を向けつつ、合理性のあるゴールを前提に、論理的に考えていかなければ、いずれワナにかかるだろう。

政治不信や世情不安は、格好の“稼ぎ時”だ。味方のふりをして、心のスキマにつけこんで、あなたを着実にカモにしていく。そんな人々は、いつの時代も必ずいる。だからこそ正義感だけで先走るのではなく、物事の本質を見極めることが重要なのだ。

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