「備蓄米放出か、小泉大臣やるじゃん」「JAはもう解体しちゃえ!」は非常にマズい考えだ…。小泉大臣「備蓄米放出」騒動に抱く"危うさ"の正体
随意契約のメリットとしては、価格競争にならず、なおかつ迅速に売買できる点がある。一方で、基準が比較的明確な入札に比べ、透明性が確保しづらいため、業者との癒着や汚職の温床になりかねない。


5月26日に申し込み受付を始めた随意契約は、大手小売業者向けに、2022年産のコメ20万トン、2021年産のコメ10万トンの計30万トンが対象となった。60キロあたり税込1万1556円で売り渡される。応募した事業者は27日14時時点で33社(約15万7000トン)となり、受付は一時中止となった。
これらの状況を見て、SNS上では好意的な反応が多い。一部マスコミが備蓄米を「小泉米」と呼んだことから、野党支持者を中心に批判が出つつあるが、備蓄米の随意契約そのものは受け入れられているようだ。
コメ問題の陰で国民年金に関する法案なども議論
江藤氏の失言はどこへやら。すでに話題は進次郎氏の一挙手一投足に移っており、石破内閣としては不幸中の幸いと言える状況だ。物価高と、かねての少子高齢化により、閉塞(へいそく)感が漂っている日本経済において、一服の清涼剤になっているのだろう。
今国会では、厚生年金の積立金を、国民年金の底上げに充てる法案なども議論されている。それはそれで重要な問題だが、世間が「天引きで目に見えにくい」社会保険料より、「毎日食べる」コメのほうに興味を持つのは当然だろう。
“備蓄米バブル”によって、相対的に政府批判が少なく見える現状で、代わって目立つのが「JA批判」だ。これまでの備蓄米入札で、ほとんどのコメを落札していたのは、ほかならぬJA全農(全国農業協同組合連合会)だった。
それでもなお、市場に出回らないイラ立ちからか、「コメ不足の元凶はJAにある」といった声は少なくない。
筆者は農業の専門家ではないので、JAの存在価値について、ここで論じるつもりはない。ただネットメディア編集者として、長年SNSのタイムラインを眺めてきた経験からすると、どことなく「この空気は危険だ」と感じるのだ。
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