中国製自動車の「対ロシア輸出が急減」した事情 1~3月の輸出4割減、ロシア政府が締め付け強化

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ロシアに輸出される中国車のほとんどはEVではなくエンジン車だ。写真はロシアでの市場シェアが中国メーカー首位の奇瑞汽車のSUV(同社のロシア向けウェブサイトより)

中国のロシア向け自動車輸出が急速に冷え込んでいる。業界団体の中国汽車流通協会乗用車市場信息聯席分会(乗聯会)のデータによれば、2025年1~3月期の輸出台数は約9万9000台と前年同期比44%も減少した。

2024年には、ロシアは中国車の輸出先として国別で最大の市場だった。ところが2025年1~3月期のロシア向け輸出台数はメキシコとアラブ首長国連邦(UAE)を下回り、第3位に後退してしまった。

そもそも、ロシア自動車市場で中国車の存在感が高まったきっかけは、2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻だ。西側諸国の自動車メーカーがロシア市場から一斉に撤退したため、その穴を埋める格好で中国の自動車メーカーが大挙して進出した。

2024年は100万台超えたが…

乗聯会のデータによれば、2023年にロシアに輸出された中国車は前年の5.6倍の約90万9000台に急増。2024年は前年比27%増の約115万8000台と100万台の大台を突破した。

アメリカの市場調査会社ロジウム・グループのレポートによれば、ロシア市場における中国車のシェアは2021年には10%に満たなかったが、2024年は50%を超えたという。

ところが2024年4月以降、ロシア政府が打ち出した複数の政策の影響により、中国車の輸入拡大にブレーキがかかった。

「ロシア市場では、かつて2008年にも中国車が販売を大きく伸ばしたが、ロシア政府が中国車に対して高関税を課し、2009年の対ロ輸出は急減した。2025年1~3月期の輸出の冷え込みは、当時の動きに似ている」。乗聯会の秘書長を務める崔東樹氏は、そう指摘する。

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