ロシア政府は2024年4月、中央アジア諸国を経由してロシアに流入する自動車を標的に、関税逃れの抜け穴をふさぐ措置をとった。一部の中国メーカーが(ロシアが関税を優遇している)カザフスタンやキルギスを経由した迂回輸出により、ロシアの高関税を回避していたからだ。

さらに2024年10月、ロシア政府は輸入車の廃車税(リサイクル税)を70~85%も引き上げ、輸入車の保有にかかる費用負担を(国産車よりも)重くした。この廃車税の税率は、2025年から2030年にかけて毎年10~20ポイントずつ引き上げられる予定だ。
高額の廃車税で輸入車排除
前出のロジウム・グループのレポートによれば、エンジン排気量が1000~2000ccの輸入車に対する廃車税は2025年1月時点で7211ドル(約107万円)、2000cc超では2万ドル(約296万円)を超える。
「ロシアに自動車を輸出している外国メーカーにとって、ロシアの廃車税はEU(欧州連合)が中国製EV(電気自動車)に課している追加関税よりも高い」。ロジウム・グループはそう指摘する。
(訳注:中国製EVに対するEUの追加関税はメーカーごとに税率が異なる。通常の自動車関税と合算した税率は17.8~45.3%)

それだけではない。ロシアのアントン・アリハノフ産業貿易相は2025年2月、中国製の3車種の大型トラックに重大な欠陥が見つかり、厳格な調査を実施すると発言。そのうち1車種がロシア政府の技術認証基準を満たしていないとして、所管当局が認証取消と一時販売停止を発表した。
中国の自動車業界内では、この動きもまた中国車に対するロシア政府の締め付けの一環だと受け止められている。
(財新記者:余聡)
※原文の配信は5月14日
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