作家・橘玲が語る「幸福をもたらす3つの資本」 最も幸福度が高いのは"推し活"型の投資

新NISA(少額投資非課税制度)が2年目を迎え、個人投資家の裾野が広がっている。今後資産設計にどう臨むべきか。2024年秋に『新・臆病者のための株入門』を刊行した作家の橘玲氏に話を聞いた。
幸福を築く資本戦略とは
![週刊東洋経済 2025年3/15号(株の道場 勝ち抜く株)[雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/51uM32Jkd8L._SL500_.jpg)
──2006年出版の『臆病者のための株入門』のリニューアル版を刊行されました。
新NISAについての記事を書いたときに、編集者から「若者は今、株についてすごい興味を持っていますよ」と言われました。インデックス投資も注目されていたので、約20年ぶりに新版を刊行することにしました。
この本では「理論的には世界市場全体に投資するのが最も効率的だ」と書いています。20年前は、日本の証券会社ではETF(上場投資信託)の取り扱いは少なく、海外株に連動するETFはニューヨーク市場で取引されていました。その後、日本でもオルカンと呼ばれるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)などが登場し、手軽に購入できるようになりました。

最適な資産配分・管理などを研究するファイナンス理論は、批判もあるものの、個人の資産運用には十分有用で、説明もシンプルです。
NISAは個人にとってものすごく有利な仕組みで、月最大10万円まで積み立てることができます。運用益・譲渡益が非課税ですから、それ以外の(課税される)投資をする理由はないですよね。
──個別株についてはいかがでしょうか。
インデックス投資は平均的な収益しか期待できませんが、個別株投資はそれを上回る利益が得られるかもしれない。ただし、企業調査にかなりの時間と労力が必要ですし、時間をかけて調べたからといって、それだけ成績が上がるという保証もない。
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