AI時代の中高年に欠かせない"蓄積と機嫌のよさ" 経営共創基盤 共同経営者・塩野誠氏に聞いた

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経営共創基盤 共同経営者/マネージングディレクター 塩野誠氏
塩野 誠(しおの・まこと)/経営共創基盤 共同経営者、マネージングディレクター。1975年生まれ。慶応大学卒業。米ワシントン大学ロースクール法学修士。国内外の企業への戦略コンサルティング、M&Aアドバイザリー業務に従事(撮影:尾形文繁)
『週刊東洋経済』3月8日号の第1特集は「40代、50代のための『稼げるスキル』大全」。転職や定年退職を見据えたとき、40代、50代が身に付けるべきなのは汎用性のある「ポータブルスキル」だ。
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生成AIの出現により、私たちの働き方は激変しつつある。事務や調査、資料作成などいわゆるホワイトカラーの仕事は、ほぼAIが担うようになるだろう。

では、そんな時代に転職を考えている、あるいは定年後も働き続けたい中高年には何が必要か。ここではその条件として、「蓄積」と「機嫌のよさ」の2つを挙げたい。

まず「蓄積」について。端的に言うと、AIが発展、普及すればするほど、ビジネスの世界は「積み重ねてきたものの多い人がより成功できる場所」になっていく。

誰もが生成AIをツールとして使うことで自分の仕事の効率を上げていくが、その効率のレベルに差をもたらすのが「蓄積」だ。すでに何らかの基礎訓練ができているプロフェッショナルであれば、調べ物に使う時間は5分の1程度に減る。論文や本を書き、講演をする人間なら、過去に自分が言ったこと、書いたことをAIに放り込むだけで、数秒後には次の仕事のたたき台を作らせることができる。

現時点で高度なスキルを持つ者にとってはばら色の未来だ。

「プロンプトが9割」の世界も近い

ここのところ、私が身を置くコンサル業界も変わり始めている。

例えば入社3年目ぐらいのジュニアレベルの仕事は、完全にマシンで代替できることがわかってきた。「この業界について調べといて」という指示は、もはや人間の部下に出すものではなくなった。もちろん、マシンを使うに当たり、ごく基本的な仕組みはわかっておくべきだが、「コンサルの仕事はプロンプト(AIへの指示出し)が9割」という世界も近い。

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