北海道から九州まで「ローカル私鉄気動車」の記憶 戦前生まれや「バスそっくり」など個性派ぞろい
関東には非電化ローカル私鉄が意外にも多く存在するが、廃止されてしまった路線もある。その中で、筆者が好きだったのは鹿島鉄道鉾田線(茨城県)だ。常磐線石岡駅から鉾田まで26.9kmを結び、霞ヶ浦沿岸を走る風光明媚な鉄道だった。
同線の気動車では、正面2枚窓のいわゆる「湘南顔」のキハ430形が思い出深い。加越能鉄道加越線(富山県)が廃線となった際にやってきた車両で人気が高かった。戦前生まれながら2007年の廃線まで活躍したキハ600形も特筆すべき存在だ。現在は1両が市内の温泉施設「ほっとパーク鉾田」で静態保存されている。
日本初のステンレス気動車はローカル線に
一方、一時は廃線の危機にあったものの第三セクターとして再出発し、ついには路線延伸が認可されるなど活況を呈しているひたちなか海浜鉄道(旧茨城交通湊線、茨城県)も、かつては個性的な気動車の宝庫だった。元羽幌炭礦鉄道(北海道)のキハ22形や元留萌鉄道(北海道)のキハ1100形など北海道の廃止路線から転じた車両が多かったのが特徴で、そのほかにも元国鉄のキハ11形などさまざまな気動車の活躍が思い出される。
中でもとくに貴重だったのは、同線のオリジナル車両であり日本初のステンレス製気動車だったケハ600形だ。1992年に廃車後は車体が那珂湊機関区に保存され、現在は「おらが湊鐡道応援団」の手により整備されてギャラリーになっている。
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