「森且行」SMAP脱退→"日本一"→ケガ、続く挑戦 「一生車いす生活になるかも」と診断された
「自分には本当に日本一になれる力があるのだろうか?」
森は自問し続けた。どれだけ努力しても、その問いが心を静かにむしばんでいった。
新しい地図の3人が森を奮い立たせた
そんな森に訪れた転機。それは、「新しい地図」の3人がABEMAの番組で浜松のレース場を訪れてくれたときだった。SMAPが解散し、それぞれが新しい道を歩み始めた彼らの姿を目の当たりにし、森の心は深く揺さぶられた。
「3人が来てくれたことが、自分にとって大きなきっかけでした。もし彼らが来なかったら、今の自分はいなかっただろうし、考え方も全然違っていた。『もう一度、踏ん張ってみよう』と思えたのは、間違いなく彼らのおかげです」
その瞬間、森の中で止まっていた何かが再び動き出した。仲間たちはSMAPで日本一を手にしていたが、森だけはまだその夢をつかめていなかった。
「自分も日本一をつかみたい」
それは、SMAPの仲間たちと交わした約束であり、森が走り続ける理由そのものだった。
そして迎えた2020年11月3日。オートレース日本選手権の優勝戦――森にとってキャリア最大の瞬間が迫っていた。スタートの合図が鳴り響き、彼は全力でアクセルをひねった。
「スタートが決まった瞬間、これはいけるって思った」
序盤から好位置につけた森は、6周回で先頭に立ち、そのまま誰にも譲らず、目の前にはゴールラインが迫る。その瞬間、24年越しの夢が現実となった。
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