思わず「わかりました。やってみます」とオドオド言うと「やってみますじゃないんだよ!やるんだよ!」とさらに怒られる。さすがに私も怒りがわくが、「そこまで言うならやるよ! やってやるよ!」と思った。
そして「はい。やります」と小さく弱い声で先生に返事をした。それと同時に「この先生を見返してやろう」と心の中で誓ったのだ。
それくらい怒られたインパクトがすごかった。この年になってあんな勢いで怒られるとは思わなかった。
これ以外で、あんな怒られ方をするのはケンカをしたときの妻だけである。
あの先生を見返してやる!
病院の主治医はよくかわるのだが、これほど怒られたことはなかった。
当時はその医者の偉そうな態度に怒りしか感じなかった。でも冷静になると、これまで繰り返してきた節制と暴飲暴食の日々を思い出し、反省もした。
50代になって、簡単にやせられなくなってきた。体の不調も感じている。確かに、このまま同じような生活をしているとまずいことになりそうだ。
子どもはもう独立し、子育ては終わったが、孫のことなどまだまだ楽しみがある。元気なじいさんになるためには、ここでどうにかしないと……。
それに、あの偉そうな先生を見返してやりたい。その日から、私は生活を整えた。それまでの経験から、何をすればいいのかはわかっている。あれをまたやればいいんだ!