「ケンタとローチケ」炎上したアプリ改悪の共通点 企業と消費者のコミュニケーションが遮断された

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突然ネットサービスの仕様が変わり、ユーザーの困惑を招くケースは珍しくない。直近では「ローチケ」の愛称で知られるローソンチケットのアプリも、改悪だと話題になった。こちらも4月上旬に変更が行われたのだが、その内容が「チケットが消えるのでは」との心配を招いたこともあり、炎上状態となった。

新しいローチケアプリでは、不正・転売の防止を理由に、電子チケットの表示(ダウンロード)後に機種変更や、アプリの再インストールを行うと、チケットを再表示できなくなった。もし再表示できなくなっても、カスタマーセンターでの状況確認を経れば、再表示できるのだが、その説明が十分でなかったために、ユーザーを混乱させる事態となった。この点は、KFCアプリにも通ずるところだ。

商品ページすら、なかなかたどり着かず…

話題のKFCアプリを実際に触ってみた。開くとまず、画面上部に「まずは受取方法と店舗を選択」の説明文とともに、「注文する」のボタンが表示される。それを押すと、「お持ち帰り」か「デリバリー」を選択する画面が現れ、いずれか選択すると、店舗選択画面が現れる……と、階層は何段階も深くなるものの、なかなか商品にはたどり着かない。

ケンタッキーの新アプリの写真
ログイン後にもかかわらず「ログインしてクーポ…」の表示が見られる画面。シンプルに見にくいUIの印象だ(編集部撮影)

改めて、トップ画面に戻って、下部へスクロールすると「メニュー」のタイル画像があった。そうそう、これが知りたかったんだよ、とタップするも、また「お持ち帰り」「デリバリー」の壁が立ちはだかる。

軽減税率や商圏の関係で、価格が一律でないのは理解できるが、ただ単に「どんな商品が出ているか」が知りたいだけでも、これだけの手間を求められてしまう。

また、あらゆる画面で会員ログインを求められるが、これまでのデータは消えているため、手こずるユーザーも少なくないだろう。「パスワードは覚えておいてよ」とKFC側は思うかもしれないが、リアルなユーザーはこんなものではないだろうか。

ネットメディア編集者である筆者の感覚からすれば、「改悪」だの「劣化」だのといった表現は、冗談まじりのネットスラングとして、一般的なイメージよりフランクに使われている。とはいえ、実際にアプリを使ってみると、今回の「改悪」は誇張ではなく、まさに……という感想だ。

次ページ「単なるアプリの改悪」にとどまらないのではないか
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