ボルボ親会社「吉利控股」、株式を一部売却の背景 500億円超の売却収入をグローバル化に再投資

✎ 1〜 ✎ 109 ✎ 110 ✎ 111 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「わが社はボルボ・カーの支配株主として、同社のグローバルな発展、製品ラインナップのEV(電気自動車)シフト、スマート化を引き続き全力でサポートする」。吉利控股の李東輝CEO(最高経営責任者)は、株式売却の声明文の中でそう述べ、同社とボルボ・カーの関係が不変であることを強調した。

吉利控股はEVシフトやグローバル化に積極投資しており、資金需要は旺盛だ。写真は傘下の吉利汽車の研究開発センター(吉利控股のウェブサイトより)

一方、ボルボ・カーのジム・ローワンCEOは、「(吉利控股の株式売却を通じて)一般投資家の保有株式が増加し、株式市場での流動性が改善することは、新規投資家にとっても既存投資家にとってもメリットがある」とコメントした。

2030年にはEV専業メーカーに

ボルボ・カーはもともとスウェーデンの商用車大手、ボルボ・グループの乗用車部門で、1999年にアメリカ自動車大手のフォードに売却された。さらに2010年、フォードはボルボ・カーを18億ドル(約2699億円)で吉利控股に売却。ボルボ・カーは吉利控股の傘下で経営再建を果たし、2021年にスウェーデンのナスダック・ストックホルム(旧ストックホルム証券取引所)に上場した。

決算報告書によれば、ボルボ・カーの2023年1月から9月までのグローバル販売台数は50万9000台と前年同期比18.7%増加。同期間の売上高は2899億スウェーデン・クローナ(約4兆1143億円)と同28.9%の増収を記録したが、純利益は107億スウェーデン・クローナ(約1519億円)と同24.1%の減益だった。

本記事は「財新」の提供記事です

ボルボ・カーは、西側諸国の主要自動車メーカーのなかでも急進的なEVシフトを進めている。同社は2025年までに販売するクルマの半分をEVに、残り半分をハイブリッド車にする計画で、2030年にはEVだけを販売する「完全なEVメーカー」になることを目指している。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は11月18日

財新 Biz&Tech

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ザイシン ビズアンドテック

中国の独立系メディア「財新」は専門記者が独自に取材した経済、産業やテクノロジーに関するリポートを毎日配信している。そのなかから、日本のビジネスパーソンが読むべき記事を厳選。中国ビジネスの最前線、イノベーションの最先端を日本語でお届けする。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事