開店前に行列も「昭和の純喫茶」の知られざる魅力 「若者やインバウンド客」から人気を集める理由

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純喫茶文化を精力的に伝える難波里奈さんに、東京都西荻窪の名店「物豆奇(ものずき)」にて話をうかがった(撮影:梅谷秀司)
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昭和レトロという言葉を聞いたことがあるだろうか。昭和時代への懐かしさや、憧れをかきたてる雰囲気全般を指す言葉だ。令和になってはや4年が経ち、昭和は遠くなっている。しかし、だからこそ若い世代にはエキゾチックで、ミドルエイジには懐かしい。今や昭和レトロは世代を超えた人気を獲得しつつある。

注目されている昭和レトロな喫茶店「純喫茶」

こういった文化のトレンドで今現在最も注目されているのが、昭和レトロな喫茶店めぐりだ。昭和にルーツを持つレトロな喫茶店は今風のカフェとは一線を画し、昭和初期からの呼称に倣って「純喫茶」とも呼ばれる。純喫茶の名店は若者や外国人観光客にも人気で、開店前から行列ができ、時間制を導入する店もあるほど。

この純喫茶ブームの立役者が難波里奈さんだ。純喫茶に関する著書12冊(内1冊は監修)、SNSフォロワー(X、Instagram)は合計約10万人。今まで日本全国2000軒以上の純喫茶を訪ねたという、純喫茶の探究者である。

著作だけでなくプロデュース活動にも力を入れており、元「V6」の3人組ユニット「20th Century」が2023年11月1日に立ち上げた「喫茶二十世紀」のアドバイザリーや、大阪梅田の阪神百貨店、東京池袋の東武百貨店 の催事における喫茶コーナーのプロデュース、純喫茶の名店の家具やメニューをモチーフにしたカプセルトイのプロデュースなど、純喫茶文化を広めるために精力的に活動している。

(左)東武百貨店 池袋本店の催事の飲食エリアに出店した銀座で60年以上続く喫茶店「ブリッヂ」。名物の、メロンパンケーキが店以外で食べられる機会は貴重だ(写真提供:難波里奈)
(右)難波さんがプロデュースしたカプセルトイ(ケンエレファント)は、累計9シリーズになる(写真提供:ケンエレファント)
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