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トヨタ社長交代、豊田章男氏に見た強烈な危機感 「私は古い人間」「クルマ屋の限界」発言を読み解く

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  • 片山 修 経済ジャーナリスト

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日本中を驚かせたトヨタのトップ人事。豊田章男社長(左)が会長に、佐藤恒治執行役員(中央)が社長に、そして内山田竹志会長(右)が退任する(写真:トヨタグローバルニュースルーム)
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サプライズではない。14年ぶりのトップ交代の発表である。トヨタ自動車が社長交代を決めた。社長の豊田章男氏が会長に退き、執行役員でエンジニア出身の佐藤恒治氏が4月1日付で新社長に就く。この交代劇から読み取れるのは豊田章男氏の賢い決断である。

14年前の2009年、章男氏の社長就任は、異例ずくめだった。世襲をめぐり、社内対立がくすぶり続け、記者会見もホテルどころか、東京・水道橋の東京本社の玄関ロビーで慌ただしく行われた。社長になっても、四面楚歌で社内に応援者はおらず、章男氏には苦い思い出が残るのみだ。

今回の社長交代では記者会見は開かれず、トヨタイムズの生配信で発表された(画像:YouTube「トヨタイムズ」チャンネルより)

今回の社長交代劇は、その教訓が生かされていた。新社長に屈辱の思いをさせたくないという配慮が随所に垣間見られた。オウンドメディア「トヨタイムズ」におけるYouTube生配信での会見からして異例だった。

章男氏が吐露した心情の意味

とりわけ、驚いたのは、社長を退く理由として、章男氏が「私は古い人間」と述べたことだ。「私はどこまでいってもクルマ屋。クルマ屋を超えられない。それが私の限界」とも語った。率直すぎる心情の吐露だ。これは、何を意味するのか。

章男氏は、若い佐藤氏を盛り立てるため、あえて自己否定をして見せたと考えられる。次期社長に佐藤氏を選んだ以上、徹底して佐藤氏を持ち上げる。相手の面子を持たせて、あえて自分は脇役を演じたとする解釈が可能だ。

それにしても、社長交代の場面で、このように謙虚さを装うことができるのは、育ちのいい御曹司の章男氏ならではといえるのではないか。そうとうな“役者”だと私は思う。

章男氏には、やらなければいけないことが、まだまだたくさんある。「古い人間」と自己否定するヒマはないはずだ。EVやソフトウェア開発、ウーブンシティもある。なによりもハードメーカーのトヨタをモビリティ・カンパニーへと劇的に変革しなければいけない。それらをやり遂げるためにも、次期社長の佐藤氏にはしっかり社長を務めてもらわなければ困る。足元がぐらついては、その実現は不可能だ。

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【これを受けた佐藤氏の言葉】

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