人気の理由として、工場のアッセンブリー工程のように次々と調理できる仕組みを生み出した点が挙げられる。分業による効率的な調理はマクドナルドも同じだが、サブウェイはお客の前でサンドイッチを作り上げるエンターテインメントを発明したといえる。いまでは調理の場面自体を見せることは目新しくないかもしれないが、目の前でサンドイッチができあがるさまは、多くのお客を魅了してきた。
さらにオープン費用はほかのファストフードチェーンよりも3分の1ほどに抑えられていたという。店内でパンを焼き、具材はお客が選べる。いまではオンデマンドともいうべき、お客の嗜好やそのときの気分に合わせられる組み合わせは画期的だった。
全世界4万店→3.7万店に減少
絶頂期にはアメリカに2万7000店、世界中に4万を超える店舗を展開していた。ただ、2021年にはアメリカで2万店ちょっと、世界で約3万7000店に減少している。ただ、2021年は既存店舗で売上高が前年比プラスになり、復調の兆しと言えなくはなかったが、もっともこれはインフレの率であり単純な業績向上と見ない向きも多い。
このようにサブウェイが振るわなくなった理由はいくつか挙げられる。
1つ目は競合の激化だ。アメリカではサブウェイに競合するレストランチェーンが多数ある。たとえば、Firehouse Subs、Jimmy John's、Jersey Mike'sなどだ。彼らが成長している中、大変な闘いを強いられている。さらに新型コロナの悪夢も襲った。
2つ目はこのところネガティブな報道が目立ったこともある。なかでも世間の注目を浴びたのが、サブウェイが海外からの移民を大量に使用し搾取しながら店舗を拡大したと告発された件だ。フランチャイジーの一部が、移民労働者に対し賃金を過小に支払ったとされ、さらに休憩時間も与えなかったとされた。あれだけの数のフランチャイジーゆえに本部が完全にコントロールできなかった側面があるとしても、ダメージは小さくなかったようだ。
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