教育実習とは?
教育実習は、大学での講義を受けながら実際の現場に出て教員としてのスキルを磨くための場です。
学校での単位がしっかりと修得できていることや、卒業の見込みがあることなどが教育実習を受けるための条件です。
中学・高校の教育実習の期間・スケジュール
教育実習の時期については学校によって違いますが、大体は大学4年の6月ごろからスタートします。受け入れてくれる学校側の事情などによって、大きく変化します。
中学校
中学の場合は、3週間以上の実習が必要になります。実習の前には、大学で事前に指導を受ける必要があります。
高等学校
高校の場合は2週間以上の実習が必要になります。中学校の実習と比べても、かなり少ない日数であることがわかります。こちらも事前に指導を受ける必要があります。
中学・高校の教員免許を取る場合
両方の教員免許が必要な場合は、3週間以上の実習が必要です。この場合は、中学と高校のどちらで実習を受けてもよい形となっています。自分が行きたいほうを希望しましょう。
教育実習の受け入れ先、申し込みについて
教育実習の申し込み方法については、主に2つがあります。
1つは、学校に直接交渉する方法です。ただ、教育実習生を受け入れる学校は、教員の業務以外に無償で行うため、先生たちの負担になってしまうケースがあります。まずは自分の母校などに受け入れを交渉してみるのがよいでしょう。まれに大学の教職センターなどが仲介していることもあるので、受け入れ先となる学校には電話で問い合わせるのがベターです。
もう1つは、大学が指定した実習校へ申し込みをする方法です。
この場合は自分で探す必要がないので安心です。教育実習に関するオリエンテーションやガイダンスなどに出席し、申し込みをしましょう。
受け入れ先が見つからない場合
万が一受け入れ先が見つからない場合は早めに周囲に相談することが大切です。
自分1人で抱え込んでしまい、実習の時期を逃してしまうこともあるでしょう。
まずは、複数の学校を当たってみることが必要です。その際に「母校」への応募は忘れないようにしましょう。受け入れてもらえる確率が上がります。
それでも見つからない場合は大学に相談をしましょう。担当教員のつながりなどから、受け入れ先を見つけてもらえるケースもあります。
教育実習前に準備したほうがよいこと
教育実習は、事前準備がかなり重要です。準備がしっかりできているかどうかで、結果が大きく変わります。
以下の点に気をつけてみましょう。
服装
1つ目は服装についてです。
TPOをわきまえた、学校に合った服装を心がけましょう。服装については、学校ごとで大きく異なります。スーツで過ごす時間が長い学校もあれば、教員のほとんどがジャージーで過ごしている学校もあります。
コツとしては最初の数日間は「スーツ・カジュアル・ジャージー」というように複数の服を持っていくようにしましょう。その後、周囲の状況に合わせながら着替えるのがお勧めです。
髪形
髪形について、できれば男性は「黒髪・短髪」であることがベストです。また、女性も基本は黒髪がベストです。体育の授業などもありますので、髪が長い場合はしっかりと縛るようにしましょう。
派手な格好は教員に好まれないので注意しましょう。ベテランの教員だと、明るい茶髪などにしているケースがありますが実習生は避けたほうが無難です。
自己紹介
自己紹介については、とにかく手短にまとめることが必要です。
職員会議などで全員の前であいさつをすることが多いと思いますが、先生は忙しい方がほとんどです。そのため、長くまとまりのないあいさつをするのは印象が悪いです。大きな声で端的に爽やかにあいさつをするように心がけましょう。
事前情報収集など
実習先の学校が決まったら、具体的な打ち合わせが行われます。担当クラスや担当教科も決められるので、授業で使う教科書や教材などを事前に入手し、どのように授業を進めていくか考えておきましょう。事前に調べたり教員に聞いたりして学校の教育方針などを知っておくのもよいでしょう。
また、最近はTwitter上でも教育実習生に向けた情報などが発信されています。それらをあらかじめ見ておくのも1つの方法でしょう。
大学では教育実習の授業を友達と一緒に受けることもあるでしょう。そんなときにほかの学校の様子を実際に行った人などに聞いておくことでかなり参考になる部分もあります。
自分でリサーチすることはもちろんですが、友達の情報も積極的に聞きつつ、実習に生かしていきましょう。
教育実習本番 1日の流れ
実習本番になると、だいたい以下のような形でスケジュールが進んでいきます。
8時50分:朝の会
10時〜12時:午前の授業
12時〜13時:昼食と昼休み
13時半〜15時半:午後の授業
16時ごろ:放課後
学校ごとの時間割により時間はそれぞれ異なりますが、基本的には上記の流れになります。
生徒が帰った後も、事務作業や次の日の準備を行ったりする必要があるので、実習内容は多いです。学校によって忙しさは違うものの、終わるのが20時〜23時ごろになることも珍しくありません。
中学・高校の教育実習でよくあること、対策
中学・高校での教育実習では、実際に授業をしてもうまくいかないことや生徒との関係性が難しいということがよくあります。すでに出来上がっているクラスに実習生として後から入っていくので、なじむのに時間がかかるのです。
ここで大切になってくるのが、担当教員とのコミュニケーションです。そもそも先生は教えるのが好きなので、聞くと答えてくれる人は多いでしょう。何かあればどんどん聞くことが大切です。
また教育実習がつらいと感じている人もいるかと思いますが、できれば学校に相談するのがよいでしょう。難しいようであれば、SNSで同じような悩みを抱えている人がいないか探してみましょう。期間は決まっているので、無理せず教員免許取得のために実習を続けることが大切です。
教育実習終了後
数週間続いた教育実習がようやく終わり、一息つきたい気持ちになりますが、お世話になった先生方に大人のマナーとして最後に感謝状を出すようにしましょう。
学校の印象にもかかわってくるため、これは教育実習を終えた本人だけでなく、例えば次の代にもつなげていくためにも非常に重要な意味を持ちます。
お礼状や感謝状の書き方
書き方については、以下の点を必ず入れておくようにします。
・時候のあいさつ
・お礼の言葉
・本文の中文(実習の思い出や今後のビジョンなど)
・本文の結び、結語
・日付
・氏名
・宛名
タイミングは早いほどよく、遅くても実習終了後、2週間以内には出すように心がけましょう。