記事の目次
教育実習の概要
教育実習の期間・スケジュール
教育実習の受け入れ先、申し込みについて
教育実習前に準備したほうがよいこと
教育実習本番 1日の流れ
小学校の教育実習でよくあること、対策
教育実習終了後

教育実習の概要

各大学から「教育実習の手引き」が出されていますので、確認をするとよいよでしょう。教えることを通して学ぶという教育実習ではありますが、自分自身の教員としてのプロフェッショナルな意識を検証するよいよ機会になります。

なお、大学における教員養成の仕組みとして、教員免許状を取得するうえで「教育実習」の科目を修得することは必須となっています。

参考:文部科学省「教員の養成・採用・研修及び免許制度に関する基礎資料」

教育実習の期間・スケジュール

教育実習の大まか大なスケジュールケについて、小学校と中学・高校に分けて分みていきます。

小学校

教育実習は、原則4年次で行います。例年、5月から6月にかけて実習をするケースが多くあります。実習校によっては9月以降に実習を行う場合もあります。実際、筆者は運動会時期を挟んだ10月からでした。実習期間としては、大まかに3週間から4週間程度です。

中学・高校の教育実習と違う点

実習期間は、中学校免許を取得する場合は3週間以上、高等学校免許を取得する場合は2週間以上、中学校・高等学校両方の免許を取得する場合は3週間以上の実習が必要です。

教育実習の受け入れ先、申し込みについて

基本的には、学生自らが実習したい学校や教育委員会に直接交渉します。まれに大学の教職センターなどが仲介していることもあります。オンラインの時代ではありますが、受け入れ先となる小学校に対しては、電話で問い合わせるのがベターです。

受け入れ先が見つからない場合

もし受け入れ先が見つからない場合は、すぐに大学の教職センターなどに相談しましょう。なぜなら大学での単位=卒業に関わるからです。

なお、通信制大学(通信教育課程)における教育実習に関しては、明星大学通信教育課程に記載されていますので参考にされるとよいよと思いますい。

参考:明星大学「教育実習について」

教育実習前に準備したほうがよいこと

1カ月くらい前くらいから、服装などのアイテムの準備を進め、気持ちを数週間にわたるわた教育実習に向けていきましょう。待っている子どもたちのために。

服装

大学での単位取得をするための実習ですが、一般社会の中での活動となりますので服装や髪型などの「見た目」はとても大事です。教育実習における服装は主に3パターンです。

①スーツ
通勤時は必須です。学校によっては実習中もスーツスタイルなので確認しましょう。ネクタイピンなどは避けたほうが無難です。

②セミカジュアル
スーツ(フォーマル)と運動着(ジャージ)の中間です。ノーネクタイスタイルやブラウススタイルなどを意識し、清潔感を大事にしましょう。

③運動着(ジャージー)
意外と見落としがちなのが運動着。派手になりすぎていないか、サイズは体形形に合っているか、洗濯を適度にしているかしっかりと確認しましょう。また、屋外では帽子は必須アイテムですので、こちらも要チェックです。

髪形

服装と同様に清潔感が重要です。多様性が一般化している時代ではありますが、あまりに奇抜なヘアカラーや髪形形は避けたほうが無難です。児童には金属製のヘアピンなどを避ける指導・支援をしている学校もありますので(とくに体育のとき)、事前訪問時に先生方の髪型をさりげなくチェックしてみましょう。

自己紹介

1分以内に自己紹介をすることは効果的です。学活などで1分間トークを取り入れている学級も数多くありますし、何よりもご自身で事前に練習がしやすいです。名前・好きなこと・どんな実習期間にしたいかを話したらあっという間に1分です。

また、児童に対して自己紹介する場合も、ほかの教諭が現場で見ています。そのため、ありがちな「皆さん皆仲良くしてください」というフレーズは受け入れる学校側からすると、少し幼稚なイメージを持たれてネガティブな印象を与えてしまうかもしれません。あくまでも実習であることを意識し、「たくさん、勉強しましょう! 遊びましょう!」などと伝えるほうが好イメージを持たれます。

事前情報収集など

集めたい情報の種類にもよりますが、SNS情報はあくまでも断片的なものです。現場の情報・雰囲気がより必要な情報となります。コロナ禍ではありますが、職員室内でのコミュニケーションを多めに取ってみてください。そのための布石が、指導教官(教諭)以外の先生方の授業を見せてもらうことです。

また、PCR検査の実施の可否・回数、検温の行い方などは学校や地域ごとに異なる可能性がありますので、十分に下調べをしておく必要があります。それに伴い、マスクの準備も忘れずにしましょう。

教育実習本番 1日の流れ

小学校の教育実習でよくあること、対策

小学校に限ったものではありませんが、教育実習の際によくあることやその対策方法について紹介していきます。

・遅刻・欠席の場合

早めの連絡が無難です。学校によっては、留守番電話設定がされていることもありますので、指導教官(教諭)や管理職の先生方の携帯番号に直接かけるのがベターです。メールに加えて電話をするほうがより丁寧です。

・実習期間中のSNS

実習生とはいえい、学籍や評価などを外部に漏らすことは絶対にあってはいけません。SNS発信する場合においては、今まで以上に気を使うことが求められます。また、必要以上にSNSから情報を入手することもお勧めはできません。教育現場によって状況は異なるからです。目の前の実習に全力で取り組んでください。

・相談相手

実習中につらいことがあるかもしれません。とくに、ハラスメント行為に関することは、実習校内では相談しにくいでしょう。ご自身の大学の教職センターやゼミなどを通して外部相談することをお勧めします。

教育実習終了後

大学(教職センターやゼミの教授など)への報告はもちろんですが、お世話になった学校(校長宛て)と指導教官(教諭)へは直筆のお手紙を書くことをお勧めします。メールでも御礼を伝えることは可能ですが、即時性よりも丁寧さを重視したほうがよいよでしょう。受け手となる学校側は即時性を求めてはいないと思われます。

御礼状や感謝状の書き方

大学によっては「教育実習の手引き」にサンプルの文章が載っているかもしれません。また、図書館などの書籍、インターネットサイトを活用するのも手ではあります。便箋などが華美にならないよう気を付けてください。

 
清水 智(Shimizu Satoshi)FREERIDE TEACHER (一社)エンターキー教育ICTコンサルタント

元東京都公立小学校主幹教諭。都内&小笠原諸島父島での小学校勤務から長野県白馬村へ移住。長野県内で小学校講師と白馬エリアを中心とした教育ICTのアドバイザーも務める。GEG Hakuba Valley 共同リーダー