高速延伸と鉄道衰退に見る「北海道の交通」光と影 高速道路は「縮小する鉄道」の代替となるか?

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縮小
廃止された日高本線の線路
廃止された日高本線の線路(筆者撮影)

この夏、2度ほど北海道をレンタカーで旅し、さまざまな高速道路を利用した。

ラジオの交通情報を聞くと、高速道路については、まず道央道、札樽道、道東道という主要都市を結ぶ骨格となる道路に触れたのち、後志(しりべし)道、日高道、深川留萌(ふかがわるもい)道、旭川紋別道、帯広広尾道と、主に21世紀になってから開通した道路の情報を伝えるようになっている(そのあと必ず一般国道の峠道の情報を伝えるのも北海道の交通情報の定番である)。

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訪れるたびに少しずつ延伸される高速道路網でレンタカーの旅は便利さを増しているが、一方で人口減、自然災害、そしてコロナ禍による利用者の減少などにより、北海道の鉄道は青息吐息の状況が続いている。

廃止や縮小が続く鉄道、続々と建設が進む高速

例えば、総延長150km近かった日高本線(苫小牧~様似間)は2015年、高波による路盤の流出で「鵡川(むかわ)~様似」間の116kmが不通となり復旧を目指したが、その後も台風や地震等で運休が続き、最終的にバス転換することが決定。2021年4月に、鵡川以東が廃線となった。

終点の様似駅は、島倉千代子や森進一の歌のタイトルにもなったことで観光地としての地位を不動にした襟裳(えりも)岬の少し手前にあるため、かつては観光客の利用も多かったが、「本線」の名は残っているとはいえ、わずか30kmあまりの路線となってしまった。

廃線区間を以前あった踏切で通過すると、「立ち入り禁止」の看板が掲げられて入れなくなっているだけでなく、一部では線路の撤去も始まっているという、せつない情景を何度も目撃した。

その一方で、苫小牧からの高速道路である日高自動車道は、日高本線と並行するように建設が進み、2022年8月末時点で日高町の日高厚賀(ひだかあつが)ICまで開通している。

日高道 清流鵡川大橋付近
日高道、清流鵡川大橋付近(筆者撮影)

日高道は、この地方の中心都市である浦河までの建設が予定されており、JRと入れ替わるように地域の足の骨格になろうとしている。

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