増税でも税収増達成、ついに崩れた都市伝説 2015年度予算案の目玉は何か

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では、この税収増はどの税目で生じると見込まれているのか。国の所得税と地方の個人住民税を合わせた個人所得課税では、2014年度当初予算案の約27.5兆円から2015年度予算案では約29.3兆円へと、約1.8兆円増えると見込んでいる。

国の法人税と地方の法人住民税と事業税を合わせた法人所得課税では、2014年度当初予算案の約15.5兆円から2015年度予算案では約17.3兆円へと約1.7兆円(丸目の誤差あり)増えると見込んでいる。これらは、個人所得の増加や企業収益の回復を反映したものといえる。

ちなみに、2015年度には、東洋経済オンラインでの拙稿「法人税減税、実をとった財務省と総務省」で述べた法人税減税が行われるので、この影響額を精査すると法人税で約820億円減収となる分は、上記に含まれている。つまり、2015年度は、法人税減税が先行して実施される分を加味しても法人税収が増える、ということである。

「税収7兆円増」、最大の貢献は「3.3兆円増」の消費税

さらに、消費税(国の消費税と地方消費税の合計)は、2014年度当初予算案の約18.3兆円から2015年度予算案では約21.7兆円へと、約3.3兆円(丸目の誤差あり)増えると見込んでいる。これは、消費税率が昨年4月に8%となって定着して平年度化したことに伴う増加である。2015年度に消費がどしどし伸びるから消費税収が大きく増えることを見込んだわけではない。

ちなみに、もし2015年10月に消費税率を予定通り10%に引き上げていれば、これに加えてさらに約1.5兆円消費税収が2015年度に増えていたはずだった。これが得られなくなる分、2015年度予算では消費税収を充てる予定だった社会保障給付の充実を、国と地方合わせて約0.5兆円あきらめた。

結局、2015年度予算案での国と地方の税収は、2014年度の当初予算と比べ、約7.0兆円増加すると見込まれ、その増加分のうち個人所得課税は約1.8兆円、法人所得課税は約1.7兆円、消費税は約3.3兆円である。要するに、この3種類の税目で税の増収分の大半を占めることになる。

個人所得課税や法人所得課税は、直近の景況の影響を受けやすいが、消費税は景況の影響を受けにくい性質を持つ。その観点からすれば、2015年度の税収見積もりは、大幅な税収増を見込んでいるが、その最大のものが消費税からのものだから、「楽観的」というほど見込み違いになることはなさそうである。

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