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天国のような村の謎、認知症を取り巻く闇に迫る 『アルツ村』著者、医師・作家の南杏子氏に聞く

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南 杏子(みなみ・きょうこ)/医師、作家。1961年生まれ。日本女子大学卒業。出版社勤務などを経て、94年東海大学医学部に学士編入。卒業後、99年慶応大学病院老年内科などに勤務した後、2005年スイスへ転居、スイス医療福祉互助会顧問医などを務める。帰国後、都内の高齢者向け病院に内科医として勤務する傍ら、16年『サイレント・ブレス』で作家デビュー。(撮影:尾形文繁)
生と死、医療が抱える問題を静謐(せいひつ)なタッチで描いてきた著者の、新境地とも評されるミステリー。一見ユートピアのように映る高齢者たちの村には、不気味かつ衝撃的な真相が隠されていた。
『アルツ村』(南 杏子 著/講談社/1870円/381ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──舞台は北海道、認知症の高齢者たちが住む村、という設定です。

今回はちょっとミステリアスな、ある意味ホラーな、異次元に連れていかれるような物語を書きたい、と思いました。それで、医療の現場で日々接しており、切実な問題と考えている認知症をテーマにしました。スタートは「まったく新しいミステリーを書く」という作家としての意欲でしたが、書いていくうちに、診察室で普段考えていることをぐいぐい、気持ちに任せて盛り込んでいった感じです。

──金銭的な負担感なしでそれぞれ快適な家に住まい、自由に暮らす生活ケア付きの村は、最初「悪くないかも」と思ってしまう。

北海道には以前住んだことがあって、本当に何もないし人もいない、「この先には何があるんだろう」というような場所が結構あるんです。交通の便が悪く外部と遮断しやすい、広大な村の敷地内は豊かな自然を生かしつつ整備されており落ち着いた暮らしを描けるなど、物語上求める条件が重なりました。そこへ39歳の主人公が偶然迷い込み、暮らすことになる。

認知症についてもっと知ってもらいたい

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