10月の衆議院選挙では、多くの政党の公約に、現金給付や減税策などが新型コロナ禍対策として掲げられていた。しかし、財源に関する説明が乏しく、かつてない「ばらまき合戦」になったとの批判がある。
財源に関する説明が乏しいのは、社会保障分野の公約も同様だ。例えば、自民党の公約には、「介護の受け皿50万人分を整備し、質の高い介護人材を確保するため、更なる処遇改善を進め、『介護離職ゼロ』を目指します」とある。2022年以降、「団塊の世代」が75歳以上になっていくので、介護人材の確保は喫緊の課題である。
しかし、筆者が公約を読む限り、財源が不明である。ちなみに、「介護離職ゼロ」は17年衆院選の自民党の公約にも掲げられていた。前回の公約が未達成となった要因の分析や、今回の改善点についての説明も欲しかった。
一方、立憲民主党の公約でも、介護サービスの質・量を充実させるために職員の待遇改善を図ることが記されている。しかし、財源が明らかではない。また、「5%への時限的な消費税減税」も掲げられていた。消費税は社会保障制度の財源でもあるので、その減税は社会保障への影響も大きい。国債で賄うのならば、財政健全化の道筋について説明が必要だ。
言うまでもないが、政策を実現するには財源が必要となる。巨額な財政赤字を抱える中で、財源を示さないのは無責任のそしりを免れない。公約は「願望」ではない。実現可能性がわからなければ、有権者は十分な判断材料を得たうえで一票を投じることができない。
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