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コロナ共生で活躍する社会インフラ 検査キット取得から結果報告までスマホ一つ

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  • 苅谷 剛彦 上智大学特任教授・英オックスフォード大学名誉教授
英オックスフォード大学教授 苅谷剛彦(かりや・たけひこ)1955年生まれ。米ノースウェスタン大学大学院博士課程修了、博士(社会学)。東京大学大学院教育学研究科助教授、同教授を経て2008年から現職。著書に『階層化日本と教育危機』『増補 教育の世紀:大衆教育社会の源流』『教育と平等』など。(撮影:尾形文繁)

10月に入り、日本では新型コロナウイルスの感染者数が大きく減少した。緊急事態宣言も解除された。ワクチン接種拡大の効果もあるのだろうが、何が減少の原因かは、専門家の間でも確かな答えがあるわけではないようだ。

7月下旬にロックダウンを解除した英国では、人々の生活は「ノーマル」に戻ったかに見える。とはいえ、日々の感染者数は依然2万〜3万人で推移し、亡くなる人の数も連日100人を超える。いずれの数字も日本とは桁違いだ。

にもかかわらず、厳しい規制は撤廃され、マスクの着用も、社会的距離の確保も、個々人の判断に任されることになった。飲食店を含め、店舗も通常の営業を続ける。コロナと共にある生活を一歩先んじているといっていい。

私の勤める大学では、10月から新年度が始まった。授業は基本的に対面に戻った。教室内でもマスクの着用は義務ではなくなった。社会的距離についても他者を配慮するという程度の「お願い」ベースに変わった。規制という面では自粛に頼る日本より一段と緩い印象を受ける。

大きな違いもある。抗原検査のキットが無料で配布され、学生や教職員は週に2〜3回、自分でテストを行い、その結果を報告することになっている。この検査キットは、政府の国民保健サービス(NHS)のウェブサイトで登録すれば、2〜3日で自宅まで届けられる。送料も無料だ。大学やドラッグストアでも無料で配布されている。

このように検査へのアクセスを容易にする一方、各自は検査の結果をNHSのウェブサイトに報告する(各検査キットにはQRコードが付く)。そのことで、膨大な検査数が日々蓄積される。簡易検査で陽性だった人は、すぐにPCR検査を受けることが求められる。大学でも受けられる。そして、検査結果次第では自宅にとどまり続けなければならない。英国全体で毎日の検査数が80万〜90万件に及ぶのも、このような2段階の検査の仕組みを整えているからだ。

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