有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #経済を見る眼

電力や医療の需要急増、どう対処するか 供給不足が発生した場合の社会的コストが大きい

3分で読める 有料会員限定
柳川範之 東京大学大学院教授(やながわ・のりゆき)1963年生まれ。慶応大学通信教育課程卒業。93年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。東京大学助教授などを経て2011年から現職。主著に『法と企業行動の経済分析』『独学という道もある』など。(撮影:今井康一)

需要が一時的に急増したときにどう対処するのか。例えば、アイドルのコンサートのチケット販売では、抽選など一部の需要者がその需要を結果的に満たせないという形で対処している。あるいは、マスコミで取り上げられて急に来店客が増えたレストランは、行列ができるので、その時点の需要は満たせず、時間をかけて需要をさばく。

つまり、供給を簡単に増やせない限り、急増した需要を完全には満たすことができず、需要の充足を部分的に制約する形で通常は対処している。

しかし世の中には、需要が完全に満たせないと、大きな社会的コストが発生する場合がある。現在の日本が直面する電力問題や医療提供体制の問題がまさにそれだ。

電力の需要を満たせないというのは、つまり停電が発生するということだ。急に大規模停電が生じた場合、社会的なコストが大きいことは言うまでもなく、関係事業者にとっては、停電を防ぐことは至上命令に近い。しかし、電力不足が今、日本では大きな課題になりつつある。

また、コロナ禍で急増した、そして今後も急増する可能性のある患者を受け入れられる医療提供体制を、いかに構築するかというのも、今の日本において重要な課題であることは言うまでもないだろう。

この2つの課題の詳細はそれぞれ、多くの事情が複雑に絡み合っているので、ここで簡単に論じられるものではない。

しかし、あえて単純化して構造を考えると、需要が一時的に急増する可能性があるものの、供給が(まったく対応できないわけではないが)完全には柔軟に対応できず、しかし供給不足が発生した場合の社会的コストが大きいという共通点を持つ。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数