内閣府経済社会総合研究所は2018年、「日本経済と経済政策に係る国民一般及び専門家の認識と背景に関する調査」の報告書を公表した。タイトルを見ただけでは読みたいと思う人は少ないだろうが、私にとって実に興味深い内容だった。この調査は、経済の専門家と一般の人に同じアンケート調査を行い、その違いを分析するというものだ。この調査から、次のような結果が得られた。
①歳出に伴う財源として専門家は消費税、一般国民は法人税を挙げる傾向がある、②消費税について専門家は「公平で安定した財源」と考えるが、一般国民は「逆進的」と考え、その税率についても専門家の「15~20%が必要」に対し、一般国民で「10%以上が必要」と考える人はほとんどいない。
つまり経済・財政政策の運営について、専門家と一般国民の認識ギャップはかなり大きいことがわかったのだ。ところで政治はこうした一般国民の意識を反映した政策に向かおうとするだろう。すると、現実の政策と専門家が考える政策のギャップも大きなものとなり、それが問題の解決を難しくする。しかし、民主主義の下では、専門家が政策の方向を決めるわけにはいかない。どうしたらいいのだろうか。これが、私が悩み続けてきたことである。
その後同種の調査を目にしていないので、以下では、先の調査にあった認識ギャップが続いているという前提で議論を進める。
ここで私が取り上げたいのは今回の衆院選挙だ。野党の掲げる経済政策を見ると(以下では立憲民主党、国民民主党、日本共産党の政策を基とした)、①財源としては法人税の増税を考える、②消費税には批判的で、税率の引き下げ(または廃止)を求める、③国民全体への一律給付金を提案している、という特徴がある。一律給付金については、前述の調査に含まれていないが、私の独断で専門家は一律給付に反対すると考えておく。
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