政府は16歳以上を対象に2月下旬にも新型コロナウイルスのワクチン接種を始める方針だ。すでに製薬大手3社から合計3億1000万回分のワクチンを確保した。国立病院などの医療従事者を筆頭に、そのほかの医療従事者、高齢者、基礎疾患がある人の順で進められる見通しだ。
とはいえ、わが国ではこれほど大規模な予防接種は未経験とされる。ワクチン接種の「目詰まり」を避けるためにも、現場任せではなく国の主導的な役割が求められる。
その1つがワクチン配分のロジスティクス(後方支援担当)である。国は都道府県別のワクチン分配量を、都道府県は市町村別の分配量を、市町村は医療機関別や接種会場別の分配量をそれぞれ調整・決定する。今回はマイナンバーなどを活用して接種状況を把握する新システムを構築するというが、配分・搬送はさながら戦時中の配給制度で難しさが伴う。
ここで問題になるのはニーズとのミスマッチである。ワクチンが足りない、あるいは使い切れず破棄される事態も予想される。災害時における避難所間での救援物資の配分においても過不足が生じやすい。リアルタイムで在庫管理をすることが望ましい。
医療機関・接種会場における在庫状況を迅速に把握したうえ、過剰な施設から不足している施設への再配分を促す。接種の優先順位にかかわらず、一般人にも在庫状況の情報を発信して、余剰があれば接種を認めてもいいだろう。
また、10万件に1.1件程度とはいえ、いったん深刻な副反応の事例が出れば、マスコミやネットは強く反応することが見込まれる。日本人のリスク回避志向は顕著とされる。かかりつけ医などが接種後一定期間、オンラインなどで経過観察を行い、副反応の早期発見、対処を行うことがあっていい。
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