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「Go To」の何が問題だったか コロナ禍の経済的影響は過去にない特徴を持つ

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大正大学地域構想研究所教授 小峰隆夫(こみね・たかお)1947年生まれ。東京大学卒業。経済企画庁経済研究所長、物価局長、調査局長、国土交通省国土計画局長などを経て、2020年4月から現職。日本経済研究センター理事・研究顧問も務める。著書に『人口負荷社会』『日本経済論の罪と罰』『政権交代の経済学』など。

新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、批判が高まった「Go To キャンペーン」。何が問題だったのだろうか。

コロナ禍の経済的影響は、次のような過去にない特徴を持っている。1つは、通常の経済活動が突然、取引当事者以外へ損失を与える「外部不経済」を持つようになったことだ。外出を伴う行動が感染を広げてしまうからだ。

2つ目は、ショックが特定の業界に集中することだ。対面を伴う旅行業や外食業が大打撃を受けたのがその典型である。

3つ目は、これらの外部不経済と経済的打撃が時間限定的なことだ。いずれワクチンが普及し、感染が収まれば、外部不経済も特定業界への打撃も雲散霧消するはずだ。つまり政府は、時間限定的な外部不経済と特定業界への打撃にどう対応するかが問われている。

こう考えると、Go To キャンペーンはある意味でうまく工夫されていた。効果は打撃を受けた分野だけに及ぶものだし(分野限定的)、不要になったらキャンペーンをやめることができるからだ(時間限定的)。だが実施してみると、次の難点が明らかになった。

第1は、政策実施のタイミングだ。今回は、実施後に感染の再拡大が起きたため、思い切ってキャンペーンを展開できなかった。タイミングが早すぎたといわざるをえない。

第2は、政策のアナウンスメント効果である。どうやらこの政策は、国民に誤ったメッセージを伝えてしまったようだ。Go To キャンペーンが始まったとき、多くの国民は「政府が奨励するのだから、今後は積極的に旅行や外食をすべきなのだろう」と受け止めた可能性がある。これは感染の収束を難しくさせたかもしれない。

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